習近平の読み。「台湾はウクライナより落としやすい」は本当か?

shutterstock_1968595783
 

台湾について近い将来の統一は言うに及ばず、武力併合の姿勢すら隠すことのない中国。そんな習近平政権は一月ほど前まで、とある基地に30万もの兵力を結集させ台湾侵攻の準備を整えていたものの、決行を断念したとの情報も伝えられています。なぜ中国政府は侵攻延期の判断を下したのでしょうか。今回のメルマガ『宇田川敬介の日本の裏側の見えない世界の話』ではジャーナリスト・作家として活躍中の宇田川敬介さんが、さまざまな要素を勘案しその理由を推測。さらに中国サイドの「ウクライナより台湾のほうが落としやすい」という見方が正しいか否かを検証しています。

この記事の著者・宇田川敬介さんのメルマガ

初月¥0で読む

 

ロシアのウクライナ侵攻と台湾進攻の関連性

前回、「ロシアのウクライナ侵攻がうまくいったら台湾進攻を行う」ということを決めていたという情報が入っていますということをかきました。

ある意味で「ウクライナ」よりも「台湾」の方が簡単であるというように北京の共産党政府は思っていました。

ウクライナの侵攻は、2008年のグルジア戦争から始まる内容であることは間違いがありません。

プーチン大統領の野望である「旧ソ連の最大版図の復活」ということにおいて、プーチン大統領は中国が考え出した超限戦を学び、その内容を徐々に試していたということになります。

その内容の結実が2014年のクリミア半島侵攻であったことは間違いがないのです。

【関連】プーチンが真似てクリミア併合に成功。中国考案の「超限戦」とは?

そして、2014年以降、ウクライナはクリミア半島だけではなく、ウクライナ全土を狙っていることを察知し、抵抗をしています。

その抵抗が「ユーロマイダン運動」であり、そしてロシアに近い住民とウクライナ政府との間で始まった「ドンバス戦争」ということになります。

こののちに、様々な意味で「ハイブリッド戦争」が行われています。

簡単に言えば武器工場の爆破や、反政府工作、アゾフ連隊などに対する「印象工作」がそれにあたります。

そして、それらの内容が全て結実したと思ったのか、あるいは、結実しないので、戦争以外にはないと考えたのか、いずれにせよ今年の2月24日に、戦争が始まったということになります。

このことについてはすでに書いている通りですし、また今後も書くことになるでしょう。

さて、ウクライナの戦争が現在で4カ月になっています。

なぜここまで戦争が続いているのでしょうか。

それは間違いなく、ウクライナの国民が抵抗しているからということになります。

今回のロシアのウクライナ侵攻は、ご存じのように、NATOもアメリカも支援をしていません。

つまり、いくらかの義勇兵はいるものの、基本的にはウクライナ国民がウクライナを守るためにロシア軍と戦っているということになります。

その軍隊が必死に抵抗をしていることから、ロシア軍が攻めきれないということ位なります。

またウクライナ人の民間人、つまり戦闘に参加していない人々は、そのまま国外に避難しています。

もちろんそのまま亡命してしまう人もいますし、ウクライナに戻って戦いに参加する人も少なくないと聞きます。

そしてウクライナの戦いに参加しないことは良くないことのような報道があり、そのことによって徐々にウクライナに帰国し戦争に参加する人が増えているということになります。

つまり「亡命(避難)」「援軍」「帰国」「支援」これらが全てウクライナ国外との間に成立していることが、ウクライナを強くしているということになるのです。

もしかしたら、NATO軍などが中に入って支援すれば、形勢が逆転するかもしれないということになるのです。

この記事の著者・宇田川敬介さんのメルマガ

初月¥0で読む

 

print
いま読まれてます

  • 習近平の読み。「台湾はウクライナより落としやすい」は本当か?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け