その一方で米国は、もし日欧が「エネルギーを確保するためにロシア敵視をやめます」と宣言したら、「それならもう日欧は味方でなく敵だ」と非難・敵視するだろう。米国は、自分が日欧を守れなくなっているくせに、守ってもらえなくなったので敵方のロシアに譲歩しますと日欧が言い出すと、逆ギレして非難敵視してくる。米国は覇権の力が落ち、やくざな国になっている。縁切りしないと危険だが、簡単には足抜けさせてもらえない。日本は今後、米国に気兼ねしてロシア敵視をやめられず、ロシアからガスなど資源類の供給を次々と止められて、いよいよ国民生活が窮乏していく可能性が増す。米国はすでにひどい物不足と物価高騰になっているが、日本はこれまでそうでなかった。今後は違う。日本も米国みたいになっていきそうだ。自民党など日本政府は、早く腹をくくって米国から距離をおいてロシア敵視をやめないと、国民がひどい目にあう。安倍晋三が訪露してプーチンと会うのが解決への道筋だ。
以前はこんな時、野党が政府を批判していた。だが今回は、政府より野党(とくに左翼リベラル派)の方がロシア敵視の間抜けな構造に見事にはまってしまっている。左翼リベラル派は「ウクライナに侵攻したロシアは極悪だ」と言うが、その主張は間違いだ。ウクライナ問題は、冷戦後にソ連が崩壊し、ロシアとウクライナ(など旧ソ連諸国)という別々の国家になってしまったことに伴う各種の問題を米英が悪用し、ウクライナを傀儡化してロシアの脅威になるように扇動・内戦化したために起きている。ウクライナ戦争の構図を作ったのは米英だ。ロシアは被害者だ。知識人(笑)のくせに、そういった歴史をわざと無視してロシアが悪いと言っている日本や米欧の左翼リベラルやその系統のマスコミは間違っている。彼らは、隠れ多極派である米ネオコンのうっかり傀儡になって米国側を自滅させている。
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日本が対米従属をやめたら中国に攻撃されるって??そんなことはない。うまく非米諸国の中に入っているインドは、ロシアから資源類を安く買い続け、ロシアと仲良くしているが、米国から「説得」されるだけで非難敵視されていない。インドは中国の仇敵だったが、最近のインドと中国の関係は安定している。日本は、インドよりも親中国だ。日本は、うまく対米従属から離れられたら、インドみたいになれる。日本は、自滅策しか打ち出さなくなったG7もやめてしまった方が良い。苦労させられるばかりなのだから同盟なんか要らない。ハンチントンが文明の衝突で提案してくれた孤立文明が一番の得策だ。欧米かぶれは、左翼リベラル思想と一緒に捨てた方が良い。
● Putin & Modi Hold Warm Phone Call As India Gorges On Cheap Russian Oil
(無料メルマガ『田中宇の国際ニュース解説』2022年7月3日号より一部抜粋)
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