自分は何も変わらないまま?日本人による「ユニクロ」「無印」批判の的外れ

 

4.正しい教育と正しい情報

個人としての歴史観、価値観を構築するには、正しい教育と正しい情報が必要だ。正しい教育とは、一つの固定した価値観や歴史観を強制するような教育ではなく、対立する考え方を含め多様な歴史観や価値観を教えて、個人が自分で思考できるように育成することではないか。

現在、中国は習近平思想を小学校から教えている。これは一つの思想を徹底的に植えつけるものであり、個人の自由な思考を阻害している。

日本はどうだろうか。少なくとも中国よりはマシだと思うが、それでも学校教育はかなり偏向している。例えば、進駐軍による日本弱体化の方針や、国旗や国歌さえ否定する左翼思想の影響がみられる。これは私自身も経験したことだ。

情報はどうだろう。中国マスコミの偏向報道は分かりやすいが、日本のマスコミ報道も偏向している。例えば、世界で重要なニュースとして報じられている国際問題のニュースは取り上げられないことが多い。視聴者が興味を持っていないので視聴率が取れないのが原因と言われるが、国民が正しい判断をするためには、必要な情報を提供するのがマスコミの使命ではないのか。マスコミは報道しない権利を楯に、国民の知る権利を侵害している。

また、新聞社やテレビ局が、現政権に忖度し、政策に反対する意見を取り上げないことも多い。マスコミは、反対意見を含む両論併記をせずに、自分たちで結論を決定し、その結論に誘導するような報道をしている。そもそも日本のマスコミは、海外の報道機関のように自立したジャーナリストの署名原稿を掲載することもほとんどない。そして、記者クラブという政府との癒着を促進する制度も温存されている。

最近、こうした偏向報道が次第に明らかになっているのは、インターネットの影響である。インターネット上も言論統制は行われているが、それでも、マスコミでは報道されない様々な情報があふれている。勿論、情報は玉石混淆であり、信頼できない情報も少なくないが、それでも、信頼できる人を絞り込み、継続的に情報を収集していると、これまで見えなかった事実と事実のつながりが見えることもある。

学校教育が偏向していたなら、大人になってから自分で本を読んで勉強すればいい。マスコミ報道が偏向しているなら、ネット上で信頼できる情報を収集すればいい。それにより、自分の頭で考え、それを行動に結びつけることができるようになる。ようやく、それが可能になる仕組みが整ってきたのだ。

他者を批判するだけで、自分が変わらないのでは、結局誰かにコントロールされてしまう。まずは、自分が変わること。変わる努力をすること。そこから全てが始まるのではないか。

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