コロナに続く災厄。日本にも入り込んだ「サル痘(エムポックス)」の危険度と今後

shutterstock_2159911645
 

欧米を中心に流行し、日本でも7月25日、28日と相次いで感染者が確認されているサル痘(エムポックス)。これまでアフリカ以外での罹患がほとんど報告されていなかったこの感染症は、なぜその他の地域に拡大してしまったのでしょうか。今回のメルマガ『モリの新しい社会をデザインする ニュースレター(有料版)』では著者でジャーナリストの伊東森さんが、サル痘について詳しく解説。さらにその流行の背景や今後の感染動向等について考察しています。

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

初月無料で読む

 

サル痘、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」か? なぜ感染が拡大しているのか? そして対策は?

欧米などでサル痘(エムポックス)の感染が相次いでいることを受け、WHO(世界保健機関)は日本時間の6月23日午後7時ごろから、専門家による緊急の委員会を開催。

感染の広がりが、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に相当するかを検討する。

WHOによると、委員会の検討結果をもとにテドロス事務局長が今後、数日以内に緊急事態を宣言するかどうか、判断するという。

緊急事態の宣言は、現在、新型コロナウイルスとポリオで出ている(*1)。

「ウイルスが過去にない異常なふるまいをしているのは明らかだ。より多くの国に影響を及ぼしており、協調した対応が必要だ」(NHK NEWS WEB、6月21日)

WHOのテドロス事務局長は14日、会見でこう発言し、危機感を示す。

「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」は、「国際保健規則」に定められた手続きによるもので、「他の国々に公衆衛生上の危険をもたらすと認められ、緊急に国際的な調整が必要な事態が発生したとき」に宣言が出される(*2)。

英語では「Public Health Emergency of International Concern」というもので、頭文字をとってPHEIC(フェイク)と呼ばれ、過去に6回、出された。

過去にPHEICが出された事例

  • 2009年「新型インフルエンザ」
  • 2014年~16年エボラ出血熱(西アフリカ)
  • 2014年ポリオ
  • 2016年ジカ熱
  • 2018年~20年エボラ出血熱(コンゴ民主共和国)
  • 2020年新型コロナウイルス

(NHK NEWS WEB、6月21日)

サル痘は、従来、中央アフリカだけ散発的にみられる感染症であったが、しかし、今後、ヨーロッパなどで定着することが懸念される。

関連記事

世界で「サル痘」が拡大 原因不明の子どもの小児肝炎も 21世紀は感染症の時代へ

※ 上記情報は6月26日時点のものです

この記事の著者・伊東森さんのメルマガ

初月無料で読む

 

print
いま読まれてます

  • コロナに続く災厄。日本にも入り込んだ「サル痘(エムポックス)」の危険度と今後
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け