卵子凍結と精子バンク利用は「普通」の衝撃。NYシングルマザー出産ウラ事情

 

おめでとう!と当たり障りない返信をした直後、「あれ?そういえば、彼女の旦那は今、刑務所にいるって風の噂で聞いたことあったな」と思い出し、「刑務所の面会に、赤ちゃん連れて行くのか?」と余計なお世話と思いつつ返信してしまいました。「とっくに離婚したよ!」とかかってきた電話の声は20年前と変わってなく、懐かしさのあまり、そのままお互いの近況報告で話し込みました。

「お父さんは?俺の知ってる人間?」
「いや、私も知らない。子供時代の写真は見たことあるけど、彼の今の姿は写真でも見たことない」
「言ってる意味がわからない」

彼女が体外受精でIVF(In Vitro Fertilization)に至った経緯、シングルマザーになる覚悟、の話があまりに興味深く、会って話を聴きたくなりました。それはそのまま、今のニューヨーカーの女性たちの生き方を映し出している鏡のようと思ったからです。そしてなにより、年齢や世間体、両親の有無ばかりを気にして身動き取れなくなってしまっている今の日本人女性たちに勇気を与える話になると直感したからでした。(そう、メルマガのネタの為)

翌週、マンハッタンの日系レストランでランチをしながら聞いた話の内容に、僕はずっと感嘆し続け、少し彼女の生き方を格好いいと感動すら覚えました。やっぱり、メルマガ購読者のみなさんにも紹介したい、すべきと思いました。

約20年ぶりに会う彼女は、僕が開口一番「おまえ、東海地方かどこかのゆるキャラやってたのか?」と毒づくくらい、倍の大きさに変化していました。「相変わらず、口悪いねー!」と笑う彼女の本質は20年前と何も変わっていなかった。

43歳での初産は日本だけでなく、もちろん世界的にも「高齢出産」ではあります。もちろんアメリカ、ここニューヨークでもそうです。ただ、ニューヨーク市における出産は総じて遅い傾向ではあります。当然キャリアを積む街での晩婚率は高い。晩婚化は進み、その分初産のタイミングも先送りになります(生まれ故郷の商業高校出身の幼なじみはみんな二十歳くらいで父親になってたよなぁ←これ、炎上するかな。あくまで総じて、の話。平均の話です)。

そういう僕も、30代は仕事一筋な生活で子供を欲しいとは思わなかった。「おまえはいいけど、奥さん年上だろ」そう周囲に言われ、40に入ってからやっと妊活した次第です。運良く双子だったので男の子と女の子を両方を授かったのですが、その時ですでに僕は42歳になる3ヶ月前だった。奥さんはひとつ年上です。

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