卵子凍結と精子バンク利用は「普通」の衝撃。NYシングルマザー出産ウラ事情

 

歳をとってからの出産だと「子供の運動会で若い世代の他のパパたちとかけっこする際、ハンデがある」とはよく言われる話です。ところが!驚いたのは、子供を通わせている公立の小学校のパパたちは僕と同世代か、それ以上。

マンハッタンのド真ん中の公立小学校の父兄の平均年齢は日本の人が想像するより高い。学校のイベントで顔を出すと、パパ友たちが全然若くなく、改めて、ニューヨークの晩婚化が世界一だと知らされます。キャリアの為の街は、ジジイな親父を排出する。キャリアと晩婚化は比例します。

彼女自身もこの10年、キャリアウーマンでした。恋愛より仕事を優先してきた。今まで男性とは縁がなく未婚のままでした。というのは、ニューヨーク市自体、男性の絶対数の方がはるかに少なく、一説には(正確かどうかはわからないけれど)市の男女比は1:5、こと日系社会に関しては1:7と言われています。確かに、弊社の社員募集にも応募者のほとんどが女性になる。1:5や、1:7が正確な数字かどうかはわからないけれど、どう考えても圧倒的女性多数の市場であることは間違いありません。

つまり、NYでモテない男はどこに行ってもモテないから諦めた方がいい、とも言えるかもしれません。もちろん、日本に比べるとLGBTQの方々のパーセンテージも、実数も多いので、一概には言えないのだけれど、日本に比べるとニューヨークの女性の方が、パートナー選びに苦労している傾向な気がします。

彼女は、とても可愛らしく、性格も明るいので、異性にはモテていたと思います。実際に結婚もしていた。旦那が麻薬違法取引で逮捕されるまでは。「アーリー・モーニング・アレスト(early morning arrest)って知ってる? 警察の逮捕は明け方に来るの。(犯人が)まだ寝ぼけてるうちに来れば、抵抗も、逃亡も、心の準備もできないから、素直に逮捕されやすいの」。久々の再会、冒頭いきなり、この先役に立ちそうもない、あまりにヘビーな情報から会話はスタートしました。

刑務所にいた夫に何度か面会にも行ったが、反省の色も見えない彼に愛想をつかして離婚してすでに10年近く経つ。その間も「もう、男は懲り懲り!」と思いつつ、でも「子供だけは欲しいなぁ」と漠然と思っていた。「今まで街でも全然スレ違わなかったなぁ」というと、やっぱりマンハッタンと(アタシが住んでいる)ブルックリンは(生活環境も行動範囲も)違うから、と笑う。「でも、日中は毎日、マンハッタンにきてるんだよ、アタシ」。

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