無個性だと思っているのは自分だけ。実は日本人って「とても個性的」だ

Young asian people working in the office. Co-working space. Social distancing.
 

ヒーロー、主役キャラではないかもしれません。「七人の侍」でいうところの三船敏郎演じる菊千代や志村喬演じるリーダーでは決してないですが、宮口精二さん演じる久蔵のような無口なストイックさを持つプロフェッショナル。そこには他に見ない個性が存在する。わかりづらいか、例え。

「うちのお父さん、面白味がないのよねぇ、お酒も飲まないし、勤務先の工場と自宅の往復だけの毎日。冗談ひとつ言わないし、何がおもしろくて生きてんだか」「なのに、どうしてアタシみたいなオモシロい娘が生まれたんだろう。アタシは工場なんかじゃなく、もっと自分だけの個性を磨いて自分だけしかできない仕事に就きたいの」とか話してる母娘がいたとします。どっかの地方で。

でも、もし、お父さん、その町工場で世界中に輸出しているとてつもなく綺麗な有田焼の職人だったとしたら。世界の人々がお金を出して買いたいと思う焼き物を日々作っているとしたら。めちゃくちゃ世界に通用する「美しいものを日々作り出せるという個性を持った人」になります。いや、屁理屈じゃなくて、真面目な話。

(だいたい自分のことオモシロいって言ってる奴で本当に面白い奴なんていない。100歩譲って面白いとしても、それクラスメイトの仲間内5~6人にだけだろう。1,000歩譲って本当に面白いとしても、世界基準で見ると通じないよ)

勝手な自分の妄想家族に、勝手に自分でキレたところで、まとめると、体現したもの、制作したもの、提供するものは、思惑や心情やニュアンスに比べて圧倒的に強い「個性」になるということです。彼の制作したものこそが「個性」とも言えます。

つまり「ムードメーカー」だの、「一途な恋心」だの、「頑固一徹」だのではなく、従事している仕事こそが本物の個性という考え方もあるのではないでしょうか。

自身の紐づいている仕事にこそ、個性が出るのだとしたら、「粘り強さ」だの、「お調子者」だの、「ヤンキー気質」だのを、その仕事に活かした方がいい。受け取る媒体側は、その産物、サービスでしか個性を見出せない。家族や友達にでもならない限り。

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