東スポ餃子vs夕刊フジ小籠包。夕刊紙の「中華対決」が今アツい理由

2022.09.15
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駅スタンドやコンビニでライバル対決を繰り広げてきた、東京スポーツと夕刊フジ。そんな二大夕刊紙が、新たな舞台で展開する「絶対に負けられない戦い」が話題になっています。今回両者の真剣勝負を取り上げているのは、フードサービスジャーナリストの千葉哲幸さん。千葉さんは東スポ・夕刊フジそれぞれが売り出した商品と新聞社が食品事業に進出した事情、さらに取材を通して明らかになった彼らの偽らざる本音を紹介しています。

プロフィール千葉哲幸ちばてつゆき
フードサービスジャーナリスト。『月刊食堂』(柴田書店)、『飲食店経営』(商業界、当時)両方の編集長を務めた後、2014年7月に独立。フードサービス業界記者歴三十数年。フードサービス業界の歴史に詳しい。「フードフォーラム」の屋号を掲げて、取材・執筆・書籍プロデュース、セミナー活動を行う。著書に『外食入門』(日本食糧新聞社発行、2017年)。

ナゼ中華点心でライバル対決?夕刊紙『東スポ』餃子 vs 『夕刊フジ』小籠包が今アツい!

『東京スポーツ』(以下、東スポ)と『夕刊フジ』は夕刊紙のライバルで、キオスクやコンビニで夕方刺激的なタイトルで競っていることが日常のシーンとなっている。この二紙がいま、餃子と小籠包という“おつまみ”でも競っている。この発端は昨年9月に『東スポ』が餃子の販売を開始したこと。これに続く形で今年7月『夕刊フジ』が小籠包の販売を開始した。

これらを取り巻く環境を簡潔に述べると、いま紙媒体は部数減が続いている。新規事業に取り組むことは喫緊のテーマ。この両者とも面白半分で食品事業に着手したわけではない。社運を賭けた事業なのである。ではなぜ“おつまみ”での対決なのか。

『東スポ』らしさで「ニンニクマシマシ」

まず『東スポ』が手掛けた「東スポ餃子」から解説しよう。商品は餃子を推す町の宇都宮市に本拠を置く大和フーズが製造、青森産のニンニクを同社の標準的な商品の3倍使用。食材は国産。ニンニク3倍ということで「ニンニクマシマシ」をキーワードにした。

『東スポ』が昨年7月より販売を開始した「東スポ餃子」のポスター

『東スポ』が昨年7月より販売を開始した「東スポ餃子」のポスター

商品は業務用50個入り2,484円(税込)を通信販売することから始まり、自動販売機1号店が同年11月より小田急線・千歳船橋駅近くの持ち帰り餃子専門店で冷凍餃子15個1,000円で発売された。その後、製造元の大和フーズのホームページで「東スポ餃子が食べられる店」が公表された。

「東スポ餃子」が生まれた背景と展望について、東スポ餃子広報担当の佐藤浩一氏が解説してくれた。

『東スポ』が餃子販売に取り組むことになったきっかけは、同社取締役編集局長・平鍋幸治氏のひらめきという。新規事業の立ち上げで「食に行こう」と決断した。2021年夏のことである。平鍋氏は総合商社の戸田商事と接点があり、その傘下となった大和フーズの餃子に着眼した。「東スポ餃子」は名義貸しといったライセンスビジネスではなく、『東スポ』が企画した『東スポ』のオリジナル商品である。

『東スポ』の歴史に残る代表的なタイトルは「マドンナ痔だった?」「フセイン・インキン大作戦」「人面魚 重体脱す」。一般紙とは一線を画した独自性、意外性が本分である。その同紙が餃子を手掛けること自体、意外性以外のなにものでもない。

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