小林よしのり氏が論破。安倍銃撃を「テロ扱い」エセ保守論客の売国ビジネス

 

すると、「自民党と統一協会に関係があるなんて、その可能性について言うことすらまかりならん!」と言っていたはずの三浦瑠麗は、「自民党と統一協会に関係があったとしても、そもそも統一協会なんて大した問題ではない」という発言を繰り返すようになった。

8月26日の『朝まで生テレビ!』では「統一協会で何を今さら騒いでるんですか、みんな知ったことでしょ。私はこの問題に興味ありません」とまで発言。興味のない問題で、なぜあんなに狼狽したのか?

さらに三浦は「すごい献金してて困窮してても、多くの家族は山上みたいに殺人してない!」だの「反日なんて言葉使わないで!」だのと、問題を矮小化しようと必死だった。

一方の石戸も、「選挙運動を手伝ったり、政治家のパーティー券を買ったりと政界とのつながりは現在もある(中略)だが、つながりがあることと、影響があることはまったく別の問題である」(サンデー毎日8.14号)だの、統一教会が持つ票数は8~15万票程度だから「公明党の支持母体・創価学会が持つ600万~700万票にも遠く及ばない」(SPA!8.2号)だのと書いている。

統一協会信者の実数は6万人程度で、石戸の言う「8~15万票」より少ないが、選挙ではものすごい僅差で勝敗が決まる激戦区があり、当落ギリギリの候補へ効果的に票を割り振れば、6万票で何人かは当選させられる。実際に安倍は実際統一協会に頼んで票の差配をやっていたし、ましてや地方議会はもっとずっと少ない票数で決まるから、その威力は相当なものとなるのは間違いないのである。

SPA!の執筆者の批判は、SPA!連載の『ゴーマニズム宣言』で描いてはいけないというルールを強いられているのでここで書くが、石戸は事実を平然とねじ曲げて、統一協会の問題を火消ししようと躍起となっているのだ。

だが、もっと物凄かったのは東浩紀の変節だ。

東はAERA8月8日号の巻頭エッセイ「eyes」で、なんと、こう書いたのだ。

「自民党と旧統一教会の関係は、これを機に徹底的に解明すべきだろう」

これが、同一人物の発言か!?

福島瑞穂が自民党と統一協会の関係を疑う発言をしただけで、あれだけの剣幕でその発言を封じにかかった人物が、どのツラ下げて言っているのか!?

また、東はこうも言っている。

「大前提として、宗教法人を隠れ蓑にした犯罪行為は許されない。親の信仰で苦しむ児童は社会で保護すべきだ。必要な対処が多額の献金や選挙協力により歪められていたとしたらとんでもない話である」

自民党が統一協会の影響で政策を歪められていたのではないかというのも、福島瑞穂が言おうとして、東浩紀が封じたことではないか!

この厚顔無恥の手のひら返しには呆れ果てる。東はこんなことを書くのなら、その前に福島に土下座しなきゃいけないだろう。

さらに東は、こう書いている。

「ネットや一部メディアで容疑者に理解を示す声が聞こえるのも心配だ。戦前でもテロリストに同情が集まった。それは敗戦に至る暗い歴史を準備した」

東は安倍殺害犯の山上徹也を何の疑いもなく「テロリスト」としているが、そもそも山上が行ったことは「テロ」で山上は「テロリスト」なのか?

テロリズムとは、ある政治的目的を達成するために、敵対する当事者や、さらには無関係な一般市民や建造物などを攻撃し、これによって生ずる心理的威圧や恐怖心を通して、譲歩や抑圧などを強いる行為をいう。

ところが山上徹也は、犯行直後から「政治的意図はない」と明言している。

山上はもともと安倍シンパのネトウヨであり、安倍を「敵対する当事者」として狙ったわけでもない。

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