衆院予算委員会を傍聴した高知県の橋田達夫さんは、10年前に離婚した元妻が信者で、「悪霊がいる」と言われた田んぼを売却してできた現金など約1億円を献金、夫婦げんかが絶えないなか、長男は2年前に自宅の庭で焼身自殺した。これまでに何度も警察に相談したが、統一教会の名前を出すと、断られたという。
政治と統一教会の癒着のはざまで、見過ごされてきた被害者たちの実態。ようやく政府が調査に乗り出すことになった。質問権をいかに有効に行使するか。数十件ある民事裁判の例や脱会者、2世信者の証言などをきっちり把握したうえで、言い逃れのできない詰めの戦略が必要だろう。
<追記>
10月18日の衆院予算委員会で、岸田首相は、解散命令のできる不法行為について、刑法だけで民法は含まれないという趣旨の答弁をし、この調査の実効性への疑問が噴出した。筆者も一時は、この記事自体意味がないのでボツにしようと考えたほどだが、案の定、19日の参議院予算委員会で岸田首相は「民事も含まれる」と修正した。やれやれである。毎度の朝令暮改には呆れるばかりだが、間違いを正すなら早い方がいい。
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