「安倍派を中心に」統一教会教祖・文鮮明が信者に指示した政界工作の手段

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先日ネット上に流出していたことが明らかになった、旧統一教会教祖・文鮮明氏の全615巻にも及ぶ発言録。その過激な内容が話題となっていますが、教団内部を知る人物はどのように受け止めたのでしょうか。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』ではかつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんが、文氏の発言内容を自身の教団内での体験と照らし合わせつつ検証。現在も継続中と思われる旧統一教会の政界工作の実態も詳しく綴っています。

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文鮮明教祖の発言集「マルスム選集」から、信者時代の指示内容の意図がみえてきた!

1.文鮮明教祖の語録からみえてくる教団の野望と思惑。信者経験と重ね合わせると、見えてくる…

文鮮明教祖の発言集である『文鮮明先生マルスム選集』(成和出版社)615巻がネットにあがり、各社からその内容が報道されています。そのなかで、教団の政治活動への指示が明らかになりました。その指示の流れが今日まで続き、教団の関連団体を使っての自民党をはじめとする、国会議員・地方議員らとの関係は深まっていったことがよくわかります。

私が信者として中にいた頃に聞いた話とつき合わせながら、報道された文鮮明教祖の発言内容をみてみます。

これは当時、私が教団内で、幹部や責任者から聞いている話がそのまま載っている感じです。

「神の言葉です」文鮮明氏“発言録”明らかに 「安倍派を中心に数増やす」政界工作も判明(11/7 FNN)

「安倍元首相の父親である、安倍晋太郎元外相が当時率いていた安倍派を中心に、国会議員との関係強化を図るよう、信者に語った」という内容が報じられています。

本来、信者として文鮮明教祖の指示は神様の言葉として絶対に守るべきもので、果たさなければならない使命です。それにもかかわらず、教団側の「日本では使われておらず、信者の行動指針というわけではない」というコメントはありえません。再臨主である教祖の言葉をどう捉えているのか、まったく理解できません。

公式ヤフーコメントでも、「中曽根裁定」の話を書きました。これは、当時総理大臣だった中曽根康弘氏が、87年10月20日に次の首相として、竹下登氏指名したという話です。ここでは文字数制限もあり、89年までの流れまではすべて書けませんでしたので、続きを話します。

教団としては、関係の深い安倍晋太郎氏が総理になることを願っていました。

「安倍総理が誕生すれば、親しくしていた当時の久保木修己会長(統一教会初代会長)が副総理になる道もある」と会長の政界入りを果たせるとまで言われてきました。それにより、教団の思想が一気に政治に反映されて、ローマ帝国時代にキリスト教が国教となったように、統一教会が国教になる日がやってくる。そう教えられ信じていました。しかしながら、その思惑は中曽根裁定により、いったんはついえることになります。当時の教団の信者らの落胆ぶりを、今でも覚えています。

ですので、中では中曽根元首相は、神様の摂理に失敗した人物となっていました。しかし後に92年に教祖が入国し彼と会談することで、その汚名はそそがれます。今になってみれば、教団の野望を中曽根氏が打ち砕いたことになります。しかし、教団は政界工作を諦めていませんでした。それが教祖の89年の発言につながります。

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