2.捲土重来をなすための89年の文鮮明教祖のみ言葉か!?
これまでの教団の手口を見てもわかるように、選挙に落ちた人に教団信者らが組織的に近づき、選挙などの応援をして、恩を売り、その議員を統一思想の教えに染めていく。そこで、議員らをしっかりとからめとるために、信者である秘書を入れ込むなどは常套手段を取ります。
それが、今回の御言選集にも出てきています。
「旧統一教会の創始者、1989年に政界工作を信者に説く発言」(ABEMA TIMES 2022/11/07)の報道によると、「国会議員との関係強化です。そうして国会内に教会をつくるんです」「二番目は秘書です。国会議員の秘書を輩出する」「三つ目は国会内に組織体制を形成することです。それで、自民党の安倍派などを中心にして、(議員たちを結成して)数を徐々に増やしていかなければなりません」といっています。
これは1989年7月に語られた文鮮明教祖の言葉といわれています。ちょうど、安倍晋太郎氏が癌治療のため、入院して退院したのが7月といわれています。安倍氏も体調の不安などもあったことでしょう。しかし政界に復帰してきたことをいち早く知った文鮮明教祖のエールだったと思います。
そして中曽根裁定で首相になれなかった安倍晋太郎氏を再び応援して「総理大臣にさせるために、教団が一丸となって、政界への働きかけを強めていきなさい」とする指示だと捉えています。
3.90年の衆議院総選挙はカルト選挙元年だった!?話題のあの人も初当選!
翌90年に行われた第39回衆議院総選挙では、すでに過去のメルマガにも書きましたが、東京の支部にいた私は教団から自民党の「新井将敬議員」に投票するように指示をうけました。彼は文鮮明教祖のためなら、何でもする男と内部ではいわれていました。
実は、この年に島根県で初当選した議員の一人に、その後に、教団との関係が深いとされる、細田博之氏もいます。
安倍晋太郎氏の応援もあっての当選であることが推察できます。ここからは想像ですが、かなりの恩義を感じて、長年、清和会(安倍派)を支えてきたのだと思います。それだけに、旧統一教会と関係が深いのは頷けます。
余談ですが、この選挙には、オウム真理教の教祖・麻原彰晃(松本智津夫)が党首となった「真理党」から24人が立候補しました。当時、私は街頭で伝道活動などをしながら、「彼らに負けてはいけない」と、その選挙活動を見ていました。
この年の総選挙では、旧統一教会は正体を隠して、安倍派などの自民党議員を全信者らが応援しており、カルト宗教にとって大きな意味のある年だと思っています。
まさに89年の文教祖の言葉は、この総選挙を睨んでのことではなかったかと思っています。ここまで教団から「自民党の〇〇氏に投票しろ!」いわれたことは、87年に入信してからありませんでした。ある意味、カルト選挙元年だと思っています。
しかし再び、衝撃がおきます。91年に病により、晋太郎氏は67歳の命に亡くなりました。この時、私自身も献身(出家)信者として活動していましたので、その訃報は今でも覚えています。教団の信者らは愕然としました。安倍氏を通じた、教団の政界進出の思惑は再び、ついえることになりました。
しかしこの当時、「多くの議員のもとに秘書が入り込んでいいて、神様の摂理は進んでいる」ともいわれました。安倍氏は亡くなりましたが、この当時から入り込んだ教団関連の秘書たちからの流れは、30年たった今でも、続いています。
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