東大出だけど賢くない。「死刑ハンコ」で判った葉梨法相の頭の中

 

死刑に関わる人たち…私は死刑という制度は野蛮だと思うし、殺人犯を含めて死んでいい人はいないと思っている人間なので、そのように考えますが、その死刑、現実に執行される死刑に関わっている人たちって、ものすごく悩み苦しんで、夜も眠れないような日々を過ごして判断をする、あるいは現場の刑務官、死刑を担当する刑務官にしても、大変な精神的な負担を負うわけですよ。ちょっと思い出されるのは、民主党政権の時に千葉さんという女性の法務大臣がおられて、死刑を…この方はもともと死刑廃止論者ではなかったのか、よく覚えていないのですが、死刑の執行に立ち会うということをしましたね。

で、刑場がどうなっているのか、どのような仕組みになっているのか初めて公開したのが、この千葉さんという女性の法務大臣でした。よく記憶しています。情報公開の精神だったのでしょうが、同時に死刑の執行という、自分がはんこを押すことで執行を認めた、その執行が実際にされるところを見守ったということがあった。この人、葉梨さんには、そういう気持ちはないのだろうね。あくまではんこを押すだけの仕事。死刑について自分の仕事ははんこだけ。これ、最低の官僚の発想でしょ。こんなこと考えるのは。もうね。ちゃんとやれよという次元の話ですね。総理は辞めさせて当然なのですが、なかなか辞めさせなかったわけですね、当初は。批判が渦巻いているのに。

2日前、48時間前の話なのですが、岸田派の外務副大臣の政治資金パーティーに来賓として呼ばれ、同じ岸田派から一足お先に大臣になった葉梨さんからお祝いを、という。そういうお祝いの場で言う話し(ハナシ)かね。あ、これ、駄洒落じゃないですよ。まあ、「話にならない葉梨」なんてあちこちで言われていると思うけれど。これ、持ちネタじゃないですか、おそらくは。だから予めそのことを知っている人もいるだろうし、多分、持ちネタと分かるように言っているはずなんだよね。ここ、笑うところですよ、というね。

このときの音声が録音されていて公開されていますが、その音声の中にはどっと受けて場内が笑うとか、というのは無いですよ。一説には笑いが漏れたとあるんだけど、多分漏れた程度なんですよ。その状況に敏感な人は、ここは笑うところだと心得ているから、中身如何に関わらずとりあえず受けておかなければ、あるいは「受けた」という姿勢を見せることによって、場合によっては葉梨さんに取り入ろうとかね。取り入ることを考えたり…というような人なら受ける、つまり笑うかもしれないけれど、やっぱり爆笑ということにはならなかった、多分。これ皆が爆笑していたら、そいつらみんなクビだよね。常識のある人からすれば、もうね、なんてことを言うのだという感じですね。葉梨さん、東大出て警察官僚になり、あちこち廻って議員になり大臣になっても、賢い人とは到底言えない人ですよね。

そこでもう一つ考えたいのは、この葉梨大臣の辞任を発表したときの岸田さんの言い方ですが、最初は、政治家としての説明責任を徹底的に尽くしてもらいたいと、で、その結果、辞任することになったという流れを説明しているのですが、あれさ、よく分からないよね。なに、あの、説明責任て。あるいは任命責任。それは当然ですよ、岸田さんが「私にも任命責任がありますよ」と言うのは。今後の難局に当たっていくことで職責を果たして参りたいという。言うんだよ。言うんだけど、葉梨さんの説明責任て、多分、なぜ自分がそんな発言したのかについて他人が理解できるように説明するのはとても難しいことだと思いますよ。優秀な秘書がいたらね、大臣、それを持ちネタにしてはダメですよと、とっくの前に羽交い締めにして止めていると思いますが、そういう人も今あまり多くないようで。

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