東大出だけど賢くない。「死刑ハンコ」で判った葉梨法相の頭の中

 

そもそも統一教会の問題で支持率が低迷している中、山際大臣の首を切らざるを得なかった。そして今度は全然違うところから火の手が上がって。葉梨さんが辞めるに至った。これは普通のことではない。これから先、支持率の上がりようがない。どんな数字が出てくるのか戦々恐々で、幸せな3年間とか、要は次の国政選挙までということなのでしょうが、選挙を行わずに政権運営が出来ると思っていた。その政権運営の出だしがなんだったかといえば、山際辞任、葉梨辞任ということですよね。で、統一教会の問題、それから葉梨法務大臣の失言で政権の信用が著しく傷ついた状態で、今日を迎えたということですね。どうなっちゃうんでしょうね。そういうことなのですが、この葉梨さんに関しては、この方なかなか面白い、いや興味深い経歴をお持ちの方です。

議員としてはそんなにベテランというほどでもない。東京大学を出て警察庁に入った。国家公務員上級試験を通っているのでしょう、警察官僚になった。警察庁のエリートコースはいくつかあるのでしょうが、各県警本部の刑事部長とか刑事局長とか、現場の人を指揮するようなポジションを次から次、転転としてやがて警察庁の大きな役どころに戻ってくるということになるのでしょうが、この方は途中で議員さんに転じた。

この人、旧姓は渡辺さん。葉梨議員という二代続いた議員がいまして、葉梨信行さんという、つい昨年90何歳かで亡くなられた方がおられましたが、その方の養子に入ったというか、三女の方と結婚して葉梨姓になったということですね。そうすると、亡くなられた葉梨信行さんのお父さんも議員でしたので、法務大臣を辞めた葉梨さんは3代目になります。養子ですが、葉梨姓の政治家としては3代目ということになります。だから世襲議員ではあるのですが、そのような由来ですね。この方、典型的なエリート畑というか、警察官僚としてのエリートの道を進み、途中で議員の娘さんと結婚して妻の父親である議員の「ジバン・カンバン・カバン」を引き継ぎ、議員になっていく。最初は落選もしているようですが、とにかくそんな経歴の持ち主のようですね。

やっぱり、ここのところ急に出てきた感じがしているのは、安部内閣の元で色々な副大臣を経験している。副大臣の印象が強かった人が、今回の岸田内閣の夏の内閣改造によって法務大臣となった。大臣になったのは初めてということになります。大臣の名がついたのは今回が初めて。で、わずか3ヶ月で辞任ということになった訳ですが、考えてみると、朝、死刑のはんこを押した経験が多分ないんだよね。

葉梨さんの発言は「朝、死刑のはんこを押したときだけ昼のトップニュースになるのは、そういうときだけという地味役職です」と言っている。しかしこれは彼にとってもバーチャルな話で、つまりこれ、この人の持ちネタなんだよね。しかも4回も別の場所で同じことをしゃべっているということでしょ。お得意のフレーズなんですよ。それ考えると、多分、警察官僚の時代にはもっと酷いことを発言していたんじゃないのかな。もっと酷いことを言っていたのではないかと思う、もちろん、想像の域を出ないけれど。

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