喰いモノにされる認知症の高齢者たち。法律専門家が手を染める“悪辣な行為”

 

専門職の「法定後見人」は家裁が選任し拒否できない!

こうした法律専門職による「法定後見人」の何が問題かといえば、自らの利益追求に走るばかりで、本人や家族の意向はほとんど無視されがちになる──というのが実態だからです。

親が認知症になると、たいていの人は、介護保険法で定められた高齢者の総合相談機関の「地域包括支援センター」や、地域福祉の推進を司る社会福祉協議会に相談を持ちかけます。

しかし、これらの相談窓口では、機械的に「法定後見人」を付けましょう──と厄介払いのように家庭裁判所の審判を仰ぐよう勧めてきます(身寄りのない認知症高齢者に対しては市区村長が家裁の審判を申し立てている)。

こうした機関のケースワーカーやソーシャルワーカーの勧めに従って、いったん家庭裁判所で「法定後見人」を選任してもらうと、以後の家族は「地獄のような苦しみ」を味わうことにもなるでしょう。

なにしろ、家庭裁判所は、こちらが指名した、信頼できる知り合いや法律専門職を指名しても却下するからです。

家庭裁判所が一方的に法定後見人を選ぶからなのです。

この段階から家族の意向は無視され、勝手に決められた法定後見人の恣意的裁量の下、今後はずっと独善的な法定後見人の支配下に置かれることになるからです。

これは認知症の親が死ぬまで続きます。

そして、途中で選任された法定後見人の対応が不満でも、法定後見人を変更したり、解任したくとも、原則認められなくなるのです。

あまりにも家族の意向を無視した理不尽な家裁の決定といえるでしょう。

家庭裁判所と、その地域の司法書士会や弁護士会はズブズブの関係です。

ゆえに、司法書士会や弁護士会から法定後見人として推薦された司法書士や弁護士にまず第一に「食い扶持」を与えることが優先されます。

つまり、ある日突然こちらの事情を何も知らない、得体のしれない冷酷非情な法律専門職の人物が、認知症罹患者の「法定後見人」としてあてがわれるのが通例となっているのです。

本人のためにならない「法定後見人」の実態!

こうした法定後見人は、本人連れで家族のみんなで温泉旅行に行きたい──といった、ささやかな家族の慰安の楽しみさえ、「本人の負担が大きい」などといった見解を示し、本人の財産からの支出を拒否してしまいます。

あるいは、快適な施設に本人を収容させてあげたい、または家にエレベーターを設置してリフォームや増築を行いたい──などと家族が希望しても、法定後見人からは「必要性が乏しい」「本人の認知症回復に寄与しない」などとして、ごくふつうに却下してしまいます。

本人のことなど考えず、法定後見人自身の利益を考えているからです。

どんなに家族が食い下がり、本人の財産からの支出を懇願しても却下されます。

法定後見人は面倒くさい手続きをとることや、管理する現金資産が減ることを極度に嫌がります。

そして法定後見人の権限が強力かつ、独善的ゆえに、家族の誰も逆らうことは出来なくなるのです。

それでいて法定後見人は、状況把握のための本人面会にもまるで来ません 。

本人の現金資産額が、今どれだけあるのかについても、家族にさえ開示してくれないのです。

「家族であろうと、法定後見人が管理する現金資産を開示する義務はない」として突っぱねられるからです。

法定後見人は、ロクに何もしない「名ばかり後見」のくせに、横柄千万な態度を常態化させていきます。

そして、誰のための、何のための後見人なのか、まったく意味不明になっているのが実態なのです。

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