喰いモノにされる認知症の高齢者たち。法律専門家が手を染める“悪辣な行為”

 

裁判官たちも、悪徳公証人の味方であり、強力な援軍!

あなたやあなたの妹が、遺産のすべてを独占相続した長女を訴えたり、裁判で認知症の母親の状況を、生前のかかりつけ医師に証言してもらったとしても、公正証書遺言の効力が揺らぐことはまずありません。

実際に病床で寝たきりの母親と対面し、遺言を認証した公証人の判断(母親の意思表示はたしかに確認した)が優先されてしまうのが現状だからです。

そしてそれは、何といっても家庭裁判所の判事たちさえもが、公証人の味方だからなのです。

判事は、定年後に自分も公証人に選任されることを望み、70歳の公証人定年時までに、「楽勝仕事」で「億単位の荒稼ぎ」をしたいわけですから当然です。

判事在任中に公証人を敵に回すが如き、よけいな波風は立てたくないのが本音だからです。

こんな理不尽なことが平気でまかり通っているのが、今の日本の現状です。

認知症になったら、このように子息への正当な遺産継承でさえ、ないがしろにされてしまい、まったく浮かばれない現実が待っている──ことを覚えておきたいものなのです。

「成年後見人」の8割が法律専門職によるシノギになっている!

認知症老人を食い物にして、法律専門職が荒稼ぎするのは、前述の「公正証書遺言」のでっち上げだけにとどまりません。

2000年4月から、介護保険制度とともにはじまった「成年後見人制度」にもとづく、「法定後見人」への就任も、法律専門職にとってのオイシイ定収が得られる「楽勝業務」になっているからです。

ちなみに、成年後見制度とは、知的障害や精神障害などにより、判断能力が不十分な人の財産管理や権利を守るために出来た制度のことです(財産管理や身上監護)。

成年後見制度には、本人が将来の自分のためにあらかじめ親族や知人の中から法定後見人を定め、支援内容も決めておく「任意後見人」と、家族や行政機関から、認知症などで判断能力が不十分と看做されたことで選任される「法定後見人」の2種類があります。

かつて、成年後見制度がスタートした2000年当時には、法定後見人は、9割が親族から選ばれる「任意後見人」ばかりでした。

しかし、財産横領などが頻発するトラブルが絶えなかったこともあり、2016年に国は、司法書士や弁護士などからの強い要望も受け、「成年後見制度利用促進法」を制定します。

ここにめでたく、司法書士や弁護士、行政書士といった法律専門職に対する安定的な「食い扶持」確保の機会を提供することとなったのです。

ちなみに成年後見人による横領などによる不正の被害額は、最高裁の調査によれば、2011年から2021年の11年間において、289億円(169件)にのぼり、うち94%が親族後見人によるものだったのです。

この状況を見ると、法律専門職による横領などの不正は、全体のたったの6%で約2億円にすぎないため、一見安心しがちでしょう。しかし、油断は禁物なのです。

後述しますが、法律専門職の彼らは、普段はろくに後見の仕事もしていないくせに、月額の定期収入のほうだけをガッポリ長く稼ぐことに主眼を置いているからです。

「成年後見制度利用促進法」が制定された経緯から、市区町村などの自治体側も、法律専門職の法定後見人選定のほうを推進し、家庭裁判所も親族の法定後見人を認めなくなったため、現在では法定後見人といえば、8割が法律専門職となっているのが実際のところです。

ちなみに、法定後見人には、3種類の後見類型があります。

判断能力の水準に応じた区分で、常に判断能力が欠けている状態の「後見」、著しく判断能力が不十分な状態の「保佐」、判断能力が不十分な状態の「補助」とありますが、現実には、法定後見人の7割が最重篤レベルの「後見」に集中しています。

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