日本政府「2035年にガソリン車禁止」の無理筋
藤田氏の記事では、電気自動車のバッテリー切れの危険は、「NEXCO中日本などが既に充電対応を強化しており問題ない」としていたが、今のところ国道8号線の渋滞で電気が供給されたという報道はないようだ。
そもそも、日産リーフe+より電気容量の低いEV車、とくに軽自動車となると、さらに電気容量が少なくなる。
日本の国道沿いにガソリンスタンドはあっても、急速充電スタンドはまだまだ少ない。渋滞は24時間を超えることがあるので、やはり「電気自動車が安全」と言い切るのは無理があるようだ。
先の「スウェーデン移住チャンネル」さんは、寒くなるとEVの充電が急速に遅くなることも指摘している。冬場では、急速充電が効かず通常充電になるというのだ。当然、電気容量が大きい車ほど充電時間がかかってしまうことになる。
リーフe+は、急速充電で1時間、しかし普通充電では12.5時間かかるという。急速充電に1時間以上もかかるとしたら、ガソリンスタンド以上の行列になるのは間違いないだろう。気温が低くなると標準以上に充電時間が長くなるのだから、充電している間に凍死してしまう事態にもなりかねない。
たしかに、EV車を利用している人は加速がよくて走行も快適、さらに燃料代の節約にもいい。使用する地域や用途が限定されている人にはとても快適なようだが、今のところEVは寒い冬場には向いていないようだ。
日本政府は2020年、「2035 年までに100%電動化を進め、ガソリン車の新車販売を禁止する」と発表したが、まだまだガソリン車をゼロにするのは現実的ではないようだ。
脱炭素化を進めるがために人の命が犠牲になっては意味がない。ガソリン車の廃止は、EVの安全性が確認されてからでも遅くないのではないだろうか。
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