ロ軍や世界の状況
12月22日現在のロ軍戦死者数は10万400人になった。スバトボ、クレンミンナ、バフムト、ドネツク市付近のロ軍は、毎日500~600人の戦死が確認されている。単純な突撃をするスタイルが変わらないので、ウ軍は研究して効率よく、殺す方法を毎日、磨き上げている。
その1つが、キルゾーンに誘き入れて、大量に処理する方法のようである。それをマリンカで実践したようである。
プーチンも「併合4州は、極めて困難な状況にある。」と認めている。
このため、19日にベラルーシを訪問して、ルカシェンコ大統領に、参戦を依頼したが、参戦を拒否された。しかし、ロシアがベラルーシに対空ミサイルシステム“Tor”を譲渡したり、ロシア軍のT-90M戦車とT-72B3戦車を大量に送っている。ロ軍単独でもウクライナを再侵攻する可能性がある。
ロシアの軍事ブロガーのイゴール・ガーキンは、ロ軍がウクライナで大規模に占領地を拡大する能力はないので、ベラルーシからキーウ方面に地上攻勢をかけ、欧州とキーウとの地上連絡線を脅かすことで、他の地域の作戦を有利にできるという。
しかし、中国を訪問したメドベージェフは、習近平主席から戦争をやめて、交渉で問題を解決することが必要であると言われて、軍事援助を期待したが、その期待が打ち砕かれた。
ロシアは、ルーブルでの輸入決済ができないので、中国の人民元での決済をするしかない。ルーブルと人民元はスワップ協定も結んでいるので、ルーブルの交換レートが良い。
このため、来年から通貨市場で中国・人民元を買い始めると関係者2人が述べた。ドル依存から脱却する流れが加速するが、経済面では中国頼りになる。その中国に袖にされると、ロシアは、軍事物資も手に入れられないことになるので、中国の意向を無視できない。ロシアは、経済面では、中国の属国化が進んでいる。
このような外交の情勢であり、北朝鮮から兵器と弾薬を傭兵会社「ワグナー」は買ったが、その弾薬もバクムトで使い果たしたようである。
ということで、ロシア政府内では、再攻勢に出るべきという意見と守備を固めて今の状態を守る方が良いという意見があるという。
しかし、守備だけでは、埒が明かないので、停戦交渉に入りたいが、現状の状態での停戦しかできない。22日、中国の習近平主席の言葉を受けて、プーチンは「この戦争を終わらせることを目標としている」と発言したが、現状の占領をウクライナが認める必要があるという。
しかし、ウクライナは停戦の条件を、ロ軍がウクライナ領土から撤退することであり、終戦・停戦条件が折り合わない。
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