核兵器使用でロシア崩壊へ。プーチンが悟った唯一の戦争終結手段

 

ウクライナの状況

ゼレンスキー大統領は、激戦のバクムトに行き、ウ軍兵に勲章を渡し、激戦地のウ軍兵のウクライナ国旗に英語で寄せ書きした物を持って、ワシントンに飛び、バイデン大統領と首脳会談を行い、その後、上下院合同議会で持って来た寄せ書きのウクライナ国旗を議長に渡した。

演説は、ロシアとの戦いにおいて降伏することは決してないと述べ、また米政府に対しては軍事支援の強化を呼びかけた。また、米政府による支援は施しなどでなく、「世界の安全保障や民主主義に向けた投資であり、われわれは最も責任ある方法で扱っている」とも述べた。

演説が始まる前に、議員が立ち上がり、拍手をして、それが鳴り止まない状態が続いた。しかし、その中で共和党下院議員2名が、座って、その中に加わらなかった。下院はウクライナ支援で、もめる可能性があるようだ。

しかし、共和党上院院内総務のマコネル氏は、「ウクライナへの支援を継続することは道徳的に正しいが、それだけでない。冷たくて硬いアメリカの利益への直接的な投資でもある」と述べて、今後も支援予算に賛成するようである。しかし、この言葉に共和党内では、賛否が分かれているようだ。

しかし、ゼレンスキー大統領は、米国で宿泊せずに移動して、ポーランドでドゥダ大統領と首脳会談して、帰国した。バイデン大統領の要請で米国議会説得が必要であったようだ。このため、ゼレンスキー大統領は、最大援助国の共和党支援反対議員説得の議会演説となったのである。一定の効果はあったようであるが、完全に支援否定派を納得させられたかというと、疑問がある。

この訪問で、パトリオット防空システムが供与されることになり、長距離ATACMSミサイル、F-16や欧米戦車の供与も実現するかもしれない。特にATACMSが重要であろう。

そして、ウ軍は、米国で初めてパトリオットの訓練を受ける可能性があるようだ。米国はすでに約3,100人のウ軍人を訓練しているので、その一部をパトリオットの訓練に回すのかもしれない。

プーチンは、パトリオット防空システムは時代遅れであり、容易に破壊できると述べているが、S300対空ミサイルの方が古いことを知っているのであろうか。

パトリオットの射程は次の通りであり、何が提供されるかで意味合いが変わる。PAC-3であれば、弾道ミサイル対応であり、巡航ミサイル対応であれば、PAC-2で十分である。核攻撃があるとすると、弾道ミサイルが使用されるので、PAC-3の提供になるのであろう。

  • PAC-1 射程70~90km
  • PAC-2 射程70~160km
  • PAC-3 射程20~30km
  • PAC-3MSE 射程35~50km

支援としては、90機のモロッコ製T-72 MBTがウクライナに納入された。世界に散らばるT-72、62などの戦車が、ロシアとウクライナに吸い寄せられている。戦後は世界全体で中国製か西側の兵器になるようだ。ロシア製兵器はイランと北朝鮮だけですかね。

というように、徐々にロ軍崩壊になり始めて、戦争は最終段階に来た可能性がある。勿論、ロシアの核攻撃で、ロシアの崩壊になるということである。

それしか、戦争を終わらせられないとプーチンは考えているように思う。もうロシアは、通常戦争では勝てないことは明らかである。それより、ロ軍自体の崩壊もあり得る。

さあ、どうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2022年12月26日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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image by: Frederic Legrand – COMEO / Shutterstock.com

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