市民の不満を外国に向けさせる中国。春節で「不満分子」を国から追い出す作戦か

 

実際、中国からコロナ陽性者の入国が増加している韓国では、やはり他国同様、防疫措置を強化しましたが、これに対して中国では早くも「韓国不買運動」が起こっており、事実上の報復措置が展開されているようです。このようなとき、真っ先に中国のターゲットとなるのが韓国です。
韓国の防疫措置強化に不満爆発、中国で「韓国不買」運動広まる=韓国ネット「日本は?」 │ Record China

一方、アメリカ国務省の報道官は中国外務省の批判に対し、中国での陽性者が急増しているため、中国人旅行者に新型コロナのスクリーニング陰性証明の提示を求めることは、非常に確かな公衆衛生上の配慮に基づく、完全に科学的アプローチだと答えたそうです。しかも、中国から報告された疫学的データとウイルス配列データの透明性の欠如が、深刻な公衆衛生問題を引き起こしているとも指摘しています。まさに国内の矛盾を外に転嫁するやり方は、これまでの中国共産党の手法そのものです。
多國加嚴防疫 白宮:中國沒有理由進行報復 – 自由時報電子報

同時にアメリカ政府は、中国に新型コロナワクチンを寄贈する用意があることを改めて強調しています。台湾の蔡英文総統も、1月1日の新年の談話で、中国へのコロナ対策支援を表明しました。
台湾 蔡英文総統 “中国に人道的立場からコロナ対策支援”表明 | NHK | 台湾

もちろん中国が、これらの申し出を受け入れるはずがありません。習近平政権にとって新型コロナは「完全に制御できている」はずのものだからです。中国製ワクチンが効かないなどということも、絶対に認めることができません。

実際、12月31日に習近平が行ったテレビ演説では、ゼロコロナ政策について「未曾有の困難に打ち勝った」と事実上の勝利宣言をしています。そのうえで、「防疫措置は新たな段階に入った」「依然、大変な局面にあるが、団結こそ勝利だ」などと述べています。要するに、習近平体制は新型コロナに打ち勝ち、新たな局面においても習近平体制で団結すべきだと力説しているのです。
中国の習主席、ゼロコロナ「勝利宣言」 防疫は新段階に:時事ドットコム

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