6 エネルギー危機
この冬のエネルギー市場の安息は一時的なもので、いずれ新たなエネルギー危機が消費者に圧力をかけ、政府の財政負担を生み、先進国と途上国、米国と湾岸諸国間の対立が深まる。
7 世界的発展の急停止
コロナのパンデミック、ロシア・ウクライナ戦争、世界的なインフレの高騰という衝撃が3年にわたり相互に強化し合いながら続いたことが原因で、人間開発の進歩が5年分失われたと国連は推計している。
8 分断国家アメリカ
米国は依然として、世界の先進工業民主主義国の中で最も政治的に偏向し、機能不全に陥っている国の一つである。米国の有権者の党派的偏向の高まりは、連邦政府の中核的制度である三権分立と自由で公正な選挙による権力の平和的移譲の正統性を損ない続けている。
9 TikTokなZ世代
1990年代半ばから2010年代初頭にかけて生まれたZ世代は、生まれながらにインターネットが存在していた最初の世代で、現在、世界人口の30%を占めている。特に米国とヨーロッパで彼らは政治的・地政学的に新しい存在になっている。
10 逼迫する水問題
各国内では、1980年代から急激に増加している水関連の紛争が、2023年にはピークに達するだろう。最大の影
響を受けるのは中東とアフリカだ。
《リスクもどき》……〔おまけという意味か?〕
11 ウクライナ支援に亀裂
12 機能不全化するEU
13 台湾危機
2023年に台湾危機は訪れないだろう。
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