全ての説明がつく。米国が悲惨なウクライナ戦争をやめられない理由

 

和解交渉はない。停戦できないから延々と戦争が続く。ランド研が指摘するとおり、戦争が続くほど中露が結束し、日本を追い越して世界最強の製造業を持つ中国は、安くて大量なロシアの石油ガス資源類を得てますます強くなる。中露のまわりにサウジやイラン、BRICSなど、他の資源諸国や大市場諸国も集まり、非米側は米国側(先進諸国)をしのぐ経済力を持って台頭していく。世界は米単独覇権体制から、多極型の覇権体制に転換していく。ウクライナを早く停戦させれば、米覇権の解体・喪失を防げるかもしれないが、ゼレンスキーが了承しないので停戦できない。ランド研の警告は正しいが無視される。

As West, Debt, & Stocks Implode; East, Gold, & Oil Explode
Macgregor: This Time It’s Different

ゼレンスキーは米諜報界の傀儡だ。ランド研が正しい忠告をしているのだから、諜報界はそれに沿ってゼレンスキーに加圧して停戦交渉させるのが筋だ。しかし、そのようにはならない。なぜかというと、米諜報界は米覇権を自滅させて非米側を台頭させようとする隠れ多極派に乗っ取られており、米覇権を守ろうとするランド研はいつの間にか非主流派に追いやられているからだ。

米諜報界を乗っ取って覇権を自滅させて世界を多極化
権威筋や米国覇権のゾンビ化

米(英)諜報界を乗っ取った多極派は、2021年の夏からゼレンスキー傘下の極右勢力をけしかけてウクライナ国内のロシア系住民への攻撃を急増させ、プーチンのロシアがウクライナに侵攻せざるを得ないように仕向けた。多極派は同時にプーチンに対し、ウクライナに侵攻して戦争を長引かせるほど、ロシアが中国を引っ張り込んで世界を多極化して勝ち組に入れることを入れ知恵し、プーチンは勝算を得てウクライナ戦争を始めた。多極派は、諜報界傘下の米国側のマスコミを動員して「露軍はもうすぐ負けるから、対露制裁とウクライナ支援を加速しよう」と喧伝させ、ゼレンスキーに加圧して停戦交渉を拒否させ、プーチンのロシア側も米国側のプロパガンダを大して否定しない「偽悪戦略」を採り、これらの策略が米国側を戦争長期化の泥沼に陥れた。

プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類
ウソだらけのウクライナ戦争

ウクライナ戦争の長期化は意図的な策略なので、今後もこの状態が延々と続く。米諜報界の多極派はこの戦争より前に、地球温暖化対策と新型コロナウイルスに関しても、米国側とくに欧州を経済的に自滅させる方向で策略を展開してきた。また多極派は、ウクライナ開戦と同期して、米政界経由で米連銀を加圧し、インフレ対策(愚策)として利上げやQTをやらせており、これも米国側の金融崩壊につながっていく。これらのすべてが奏功し、覇権構造の転換が進んでいる。この流れは、ランド研の主張ぐらいで変わるものでない。米国側は、ウクライナ戦争をやめたくてもやめられなくなっており、覇権自滅の道に入り込んでいる。

Top US Official Hails Nord Stream 2 Sabotage In Senate Testimony
米露の国際経済システム間の長い対決になる

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