プーチンは崖っぷちのネズミ状態。戦争が長引くほど有利になる大国の名前

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2月24日に開戦1年となってしまうウクライナ戦争。なりふり構わぬ歩兵の突撃を繰り返すロシア軍ですが、「もはや限界も近い」という見方もあるようです。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、この戦争の最新の戦況を解説するとともに、ロシア国内の政争の影響で境地に追い込まれつつある露軍の現状を紹介。さらに各国の対応や思惑を分析しつつ、世界が現在置かれている状況を考察しています。

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人海戦術も限界に。開戦1年で打つ手をなくしたロシア軍

ロ軍が人海戦術でバフムト包囲作戦を行うも、ウ軍も増援部隊を送り高速M03号線を死守している。ロ軍の攻撃限界が近い。今後の戦況を検討しよう。

ロ軍の大規模攻勢の成果が出ていない。クピャンスク方面、スバトボ・クレミンナの反撃、バフムト包囲、ボハレダラであるが、ウ軍も春の大攻勢要員をウ軍守備隊の増援として、激戦地に投入したことで、ロ軍の進撃スピードが遅いか、ほとんど前進できないでいる。

このロ軍大規模攻勢に、前線に近い場所に航空部隊を集めているので、今後航空機による攻勢が始まる可能性があるが、地上軍の消耗が激しく、効果があるのか疑問である。

兵士の敵前逃亡阻止のため前線後方に地雷を敷くロシア軍

ロ軍・ワグナー軍はザリジネスクを占領し、直角に曲がり、M03高速道路に向けて攻撃しているが、ウ軍は、第30機械化歩兵旅団を投入して、ロ軍の前進を止めた。

一方、ロ軍とワグナー軍も、パラスコビイウカの一部を占領して、M03補給路の切断を試みている。この切断を試みたのが、ロ軍特殊部隊であるが、その攻撃を待ち伏せしていたのが、ウ軍特殊部隊であり、ロ軍特殊部隊を壊滅させた。これにより、高速道M03補給路は今の所、ウ軍の支配下にあり、無事である。

そして、パラスコビイウカにもウ軍は増援部隊を送り、ロ軍の前進を止めていたが、ワグナー軍に市中心部を占領されたようだ。今は市の南側で戦闘が続いている。このまま進まれるとM03号線になり、補給路が危ないので、ウ軍も全力で防衛している。

それでも、ゼレンスキー大統領は、バフムトからの撤退はあり得ないという。このため、ウ軍は全力でバフムト周辺に部隊を集めて、ロ軍の人海戦術の突撃を止めいるが、ワグナー軍の技量はすごい。

それと、ロ軍の人員損耗が激しく、攻撃要員が不足になり、攻撃力が弱まっている。ロ軍も他の戦線から人員を集めているが、損耗の方が早くて、どうしても、前進できなくなってきた。このバフムトにロ軍は、おそらく5万の兵力を集中しているが、それでも足りなくなったようである。どこまで、ここで消耗するのであろうか?

それと、ロ軍は地雷を前線の後方に敷設している。それには二つ理由があって、一つには、反撃された時の勢いを止める為であり、二つにはロ軍兵の敵前逃亡を阻止するためだという。

ウ軍は、バフムトを要塞都市にしているので、ロ軍の正面攻撃では落ちないことで、包囲作戦を行っているが、その包囲作戦もウ軍機甲部隊の守備陣を崩せないようである。

バフムト市東側の工場地帯、住宅地などにもロ軍が侵入して接近戦になって、ロ軍の一部がバフムト市街に侵入したようであるが、そこから前進できない。南側のオプトネから市内に攻めるロ軍も前進できていない。

バフムトの南側のイワニフカにロ軍が攻めてきたが、ここもウ軍機甲部隊が防衛している。T0504主要道の交差点にもロ軍は攻撃してきたが、ここでも、ロ軍の攻撃をウ軍は撃退している。ここもウ軍機甲部隊が守り、ロ軍歩兵部隊が攻撃しているが、突破できないでいる。

しかし、ロ軍も歩兵突撃方法が進化して、中隊20名程度のグループで突撃していたが、現在は5名程度の部隊で分散して、夜間に忍び寄ってくるという。ドローンに見つけられにくくしているようである。

ロ軍も戦術の工夫をしているようであるが、ウ軍もキルレシオを上げるために工夫している。

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