プーチンは崖っぷちのネズミ状態。戦争が長引くほど有利になる大国の名前

 

なぜフィンランドは戦車供与を見送ったのか

2月15日からブリュッセルで、54ケ国を集めて会合が行われた。ここで出されたウ軍の要望のトップは、砲弾であり、ストルテンベルグNATO事務総長は、各国に砲弾の増産を依頼した。これを受けて、米ペンシルベニア州スクラントンの弾薬工場で155mm砲弾の生産量が月間1万5,000発から7万発にした。フランスも兵器生産を加速させ、追加のカエサル自走榴弾砲を多数、ウクライナに送るという。

ポーランドは、レオパルト2A4を32両、ドイツがレオパルト2A6を14両を4月までにウ軍に提供するとした。カナダはレオパルト2A6を4両を供与している。A4は改修が必要であり、4月末提供になり、ドイツとカナダ分の18両以下しか3月までには提供できないことになった。

そして、フィンランドはレオパルト2の供与を見送った。NATO加盟後に供与するとした。デンマークとオランダも供与しないという。

このため、ストルテンベルグ事務総長は、トルコでエルドアン大統領と会談して、フィンランドの加盟承認を急ぐように依頼した。

このほかに、ノルウェーは砲弾と弾薬を提供するとしたし、ポーランドは、偵察などの義勇兵をウクライナに送るようである。レズニコフ国防相は、笑顔で欧米製戦闘機も供与の方向であるとしたが、詳細は不明である。しかし、英国ではパイロットの訓練が開始した。

フランスは、AMX-10RC戦闘偵察車14両をウクライナへ引き渡した。EUは、ロシアに対する工業製品など総額110億ユーロ(約1.58兆円)以上の輸出禁止を発表した。このなかには、トイレの便器もある。それと、ロシアにドローンを供与したとして、イラン革命防衛隊の関連団体も制裁対象に加えられた。

2月24日までに大攻勢の成果を出したい露軍が取る戦略

一方、ロシアは、大攻勢を掛けたが、今一である。このため、東部2州を3月中に占領するとしたが、達成困難となり、その代わりにバフムトを3月中に占領するとした。しかし、現時点で困難となり、4月中のバフムト占領とした。バフムトからM03号線を北上して、スロビンシクやクラマトルシクを目指すようであり、もう1つがクレミンナからリマンを占領して、クラマトルシクを目指すようである。

もう1つが、2月24日までに、ロ軍は大攻勢の成果を出したいようであり、今後、航空兵力も使い、成果を出すことになる。

ロシアは、他国からの支援がない分、自国軍事産業での増産が必要である。国家総動員体制になり、費用的には3年間ぐらいの戦費はあるが、部品調達が問題であり、多くを中国から調達している。

中国は半導体とマイクロチップをロシアに輸出している。米国は、中国企業32社を輸出禁止のリストに登録した。このため、米国の半導体製造装置企業の40%が中国から撤退した。

それと、モスクワの小売店舗ではシスコ製品がなお入手可能な状況にある。トルコやアジア諸国の業者がシスコの許可を得ず、規制をかいくぐってロシアに供給しているためで、米当局の取り締まりも総じて届かない。このように並行輸入が横行しているので、ロシアは必要な汎用半導体も入手できるようである。

中国との関係では、気球問題もあり、米中での軍同士の連絡電話が不通になっているともいう。このため、中国の動向が注目されている。ロシアを助けて、欧米との関係を途絶するのか、ロシアを見放して、欧米よりにシフトするのかである。

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