次は学徒出陣。プーチン人海戦術で戦死多数ロシア軍が準備する「動員命令書」

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開戦2年目を迎えようというタイミングで、突如ウクライナ戦争の仲裁役を買って出た中国。彼らが提示したという停戦案を、当事国が受け入れることはあり得るのでしょうか今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、中国をはじめ各国の思惑を分析しつつ、その可能性を考察。さらにアメリカが懸念する、ロシアの崩壊なしでの停戦が引き起こしかねない事態を紹介しています。

ロシア軍の巧みな攻撃で「バフムト包囲」へ前進。ウクライナ軍の撤退は近いのか?

ロ軍が人海戦術とワグナー軍の巧みな攻撃でバフムト包囲を着実に前進させている。ウ軍のバフムト撤退が近いか、ワグナー軍の消耗が早いかという事態である。今後の戦況を検討しよう。

ウクライナ戦争も2年目に入った。冬のロ軍大規模攻勢の成果がバフムトで少し出ているが、それ以外は見るべきものがないようである。ロ軍が攻勢に出たのは、クピャンスク方面、クレミンナの反撃、バフムト包囲、ボハレダラであるが、バフムトだけは、ウ軍守備隊に大増援をして、ロ軍の人海戦術の進撃スピードを止めているが、ワグナー軍は巧みに前線を突破してくるが、その他は前進できないでいる。

「ゾンビが突撃してくる」。犠牲無視の攻撃を各部隊に命令する露現地司令官

ワグナー軍は、ザリジネスク手前まで占領し、直角に曲がりM03高速道路に向け攻撃し、M03号線を超えて西側のベルキウカを攻撃している。そこを超えて、地方道00506線を切りたいようだ。しかし、ザリジネスクの街は、ウ軍が防衛している。

ウ軍は、第30機械化歩兵旅団を投入しているが、ワグナー軍は10人程度の歩兵グループを多数波状的に分散して突撃させて、ウ軍陣地を突破する。突破すると、人数を増やしてその陣地を奪い、次の陣地に向けて、突撃を開始する。ワグナー軍は近代的戦術と取り入れているが、ロ軍は、ソ連式の人海戦術で単純に押すしかなく、その戦術面でも大きく違う。

このため、重機関銃の銃撃が間に合わないようである。ゾンビが突撃して来るともウ軍兵士は表現する。勿論、大量のワグナー軍の戦死者が出ているが、ゲラシモフ総司令官の3月末までに、バフムト占領をしろという命令に、現地司令官も犠牲無視の攻撃を各部隊に命令している。

また、ロ軍とワグナー軍は、パラスコビイウカを全面的に占領して、M40号線を超えてヤギドリウカも占領した。こちらもワグナー軍の波状突撃で、徐々にウ軍は後退している。ステプキー駅周辺の陣地からも退却した。

ウクライナの攻勢発動で戦線維持が絶望的となるワグナー軍

戦車などで、ワグナー歩兵を止めないといけない。しかし、ワグナー軍の歩兵数も少なくなり、どこまでワグナー軍が活躍できるかはわからない。特に前線に全兵力を投入して、後方に予備部隊を置いていないことで、もしウ軍の攻勢が発動すれば戦線の維持は絶望的だとみる。

このため、ウ軍はヤギドリウカでは、予備役の後方に居た機械化歩兵部隊が反撃に出ている。そして、ヤギドリウカ方向から攻撃してくるロ軍を足止めするべくスタフカのダムを破壊した。これにより北部から攻撃してくるワグナー軍の進撃を滞らせたいようだ。

しかし、これにより、メインのM03補給路は切断された。

補給路としては、地方道の00506道とT0504主要道しかなく、その道路もロ軍の砲撃にさらされている。この地方道も切りにワグナー軍が攻撃している。非常に危機的な状態になってきた。バフムトからウ軍撤退の可能性も出てきたようである。

この状況で、ゼレンスキー大統領も、バフムトを固守はしない、状況が悪ければ、縦深防御のために下がることはあると言い始めた。

バフムト市南側のロ軍は、攻撃力がない。ワグナー軍とは違い、全然、前進できずにいる。南にあるマリウポリスケ墓地地区では、ウ軍が反撃している。ロ正規軍とワグナー軍の技量の差が大きい。

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