社会的排除のない国を作るには、まず「普通」を取り除く必要がある訳

Many stairs. Horizontal image of depressed disabled man sitting in the wheelchair and facing the difficulties with climbing the stairs alone
 

「普通に」が難しい人がいる

目標10には「年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態どにかかわらず、すべての人が、能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されいようにすすめる」(10-2)がある。

経済的不平等からの脱却が大き目標であるが、経済が先でても、どん境遇や立場の人であっても社会的に排除されずにいられる環境整備は、社会を構成する私たちが出来ることである。

その出来ることは、まずは「出来ていい」ことの自覚から始まるから、障がいによって社会的に取り残されている状態は何か、を深く考えてみたい。

選挙の投票や地域での活動への参加等、「普通に」参加を促しても、「普通」では難しい現実がある人がいる。
その「普通」を取り除くことが、排除を解消する第一歩である。

目標11は「特に女性や子ども、お年寄りや障がいのある人どをふくめて、だれもが、安全で使いやすい緑地や公共の場所を使えるようにする」(11-7)がある。

つまり「誰もが」を強く意識した場所を考えるのはハード面からもソフト面からも「新しい場づくり」との感覚が大切だとの私の取組と一致する。

新しい場づくりとは、現在、公共施設を運営する民間の指定管理業者と進めている場づくり研究で、全国の公共施設向けのガイドラインづくりを進めている。

ハード面だけではく、関わる人が公共の場をどう作っていくかは、関わる人の思いやりや気遣いが必須であるが、それらが整理された上で提供し市民とともに当たり前の空気とっていくのが望ましい。

それは、徹底的議論を経た様々決定により情報を共有していくことにる。

その決定の過程としても機能するのが目標16である。

「あらゆるレベルのものごとが決められるときには、実際に必要とされていることにこたえ、取り残される人がいように、また、人びとが参加しがら、さまざま人の立場を代表する形でされるようにする」(16-7)。

ゴールが設定されたこれの取組ではあるが、ゴールと同様にプロセスも大事である。コミュニケーションを尽くして、これらの目標をクリアしていきたい。

具体的講座の開設はまたこのコラムでも紹介していきたい。

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