ウクライナ戦争で露呈。戦争が「極めて下手」なロシアという軍事大国

 

もはや地上戦闘で勝ち目のないロシア軍

今、ネット上で公開されている映像を見ると、前線にロシア兵が残され、塹壕にこもらざるを得ず、そこをウクライナの戦車隊が襲って排除すると。ちょっとすさまじい映像…。ロシア兵(多分、動員兵)たちは怖いものだから、自然と一カ所にまとまってしまうんですよ。これって、格好の餌食になってしまうので。15メートルくらいの至近距離からロシア兵が固まっているところに戦車砲を撃たれて、その瞬間、映像にはモザイクが掛かるわけですが、10人近いロシア兵の遺体が散乱する状態ができあがってしまう。そんな映像が何種類もネット上に出ています。

これ、ちょっと、色々な紆余曲折があるのでしょうが、この状態、ロシア軍に地上戦闘で勝ち目はないのではないかという気がします。おそらく砲兵は周到に精密砲撃、精密爆撃で壊されていて、支援するシステムが壊されている。というふうなこと、そんな感じがします。結局、3月末までにドンバス攻略の命令は実行できなかった。

また東部を管轄していた司令官が交代させられるのではないかという噂が出ているのだそうです。ただ交代して新しい人が来てまた同じ戦いをするのかと考えると、今度はそれでは終わらない。これで泥濘期が終わり、戦車がハイスピードで駆け回れるようになったときに、ウクライナ軍には、まだゼレンスキーさんが要求した300両という数字からすると少ないですが、100数十両の西側主力級戦車、これが集まってくる。これも機種がバラバラだったり、グレードがちょっと落ちたり、あるいは予定の量数に満たなかったり、中には、実は送れませんという国もあったりして、そんなアクシデントがありながら、少しずつですが、実際にどんどん増えつつあることも確かなわけですね。

そうすると、この状況はロシア軍にとっては真っ青という状況になるのではないかという気がします。勿論、紆余曲折はあるでしょう。これからも予想外のことが起こるかもしれませんし、妙にロシア側有利に進む場面だって、絶対ないとは言えませんけれど、ただ全体の戦況を見たときに、もう少なくともこの戦いにロシアが勝つというのは無理ではないかという気がしてきます。

いまこそ停戦をという話があり、きょうも番組の中でご紹介するのですが、伊勢崎さんのイニシアチブですかね、多分、マスターが撮影したのだと思いますけれど。そのような動きもありますけれど、停戦要求は、ウクライナ側はそれを呑むのはあり得ないでしょうね。

何らかの譲歩をする意味があるのかということですから。ロシア側も何ら成果がない中、「長引くよ」という感じのことを言う政府関係者もいたりして、なかなか要求に応じる要素がないですよね。一つ、もしかして希望があるとすれば中国?これも、あまりそういう意味で信用できる人たちかなという気がするので…なんとも言えないのですが、中国政府ね、今の。

まあ、ロシアを潰さないように援助しながら、こっそりとね、仲介役をするような動きをこの間、しておられますが、でも、プーチンさんには大恥をかかされていますからね、ベラルーシに戦術核を配備すると言ってしまいましたね。あれ、習近平さんと核兵器を絶対拡散させないという約束をした直後のことなので、これは怒っただろうということがあり、これも想定外のことなんで分からないですが、ただ、仮に中国のお勧めがあり、両者ともに丸く収まるような解決案があったとして、それがあるかどうか考えてもありそうにないですね。戦場で決着を付けるしかないと、どちらも思っているのではないでしょうか。まあ、悲しいですが、まだ人が大勢亡くなるのかなという気がします。

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