ウクライナのテレビ局経営者が恐れていること
ウクライナのテレビ局の30代の経営者が、これ、NHKのドキュメンタリー番組で見たのですが、恐れていることは何かというような質問だったと思うのですが、なんと答えた方というと、これで、うちの記者たちがウクライナ政府を忖度するようにならなければ良いがと言った、そのような意味のことを言ったんですね。つまりウクライナ政府関係者の中に問題が起きたり、不都合が生じたり、ケシカランことがあったときに、それはロシアに対して国民もメディアも一致して戦ってきたときのままに、忖度して諸悪を追及しないというふうになったらまずいと言ったんですよ。偉いでしょ、これ!戦争もしていないのに忖度ばかりしているどこかの国の…いや、そんなことしていないかもしれないけどね、そういう人がいたら困りますよね。だからそれをNHKでやっていたというところがね、素晴らしいと思うのです(笑)。そういう危険がどこかに生まれるということになると。
よく、これは自由と民主主義を守る戦いで、専制国家と民主的な国家の戦い…勿論、それは間違ってはいないと思うのですが、そのことを過剰に意識してしまうと、自由と民主主義の側にいたはずの国家も、割と簡単に反対物に転化する可能性もあって。それくらい権力は美味しいのでしょうから、そういうことも。本来なら、弾を撃ち合っているときに話すことではないのですが、この先の先のまた先くらいに考えておいて損はないのではないかと思っております。戦争の下手なロシアと戦争が上手なウクライナという話になりました。
(『uttiiジャーナル』2023年4月9日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)
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