アメリカの機密文書漏洩で判明したロシア軍の戦死者数
米軍とウ軍が検討している攻勢計画の秘密情報が漏れて、その犯人は捕まったが、機密文書で多くのことが分かった。
2023年中には、この戦争は終わらずに、2024年まで続くと米軍は見ているようである。
ウ軍の9個旅団を春攻勢に投入するが、その個々の旅団の兵器配備がわかり、その旅団の役割が分かるので、どこを攻めるのかが薄々分かる。このため、旅団の構成要素を変え、春攻勢の作戦を変更しているようである。
これにより、4月から5月に予定していた春攻勢は、少し後ろ倒しになり、「夏までに」とシュミハリ宇首相は言う。
この延期には、欧米諸国からの兵器供与が遅れていることも関係している。4月中に、戦車が必要台数揃わないとか、F-16供与を要請しているが、米国は供与を約束しないなどの作戦成功に必要な兵器が揃っていないことも原因のようである。
米国はロシアの国民が戦争に本気になると、戦争が激化してエスカレーションするので、そうならない範囲を見極める必要があると思っている。兵器の種類と米軍の関与をどうするかであり、米軍がウクライナのリビウまで米国製兵器を運ぶ実験をするようである。
次の段階は、米軍が兵器の整備をすることになる。どこまでがロシア国民が怒らない範囲かを考えている。そのため、兵器もF-16は大丈夫かを見極める必要があるということのようである。
また、文書では、ウクライナ戦争でロ軍・ウ軍両軍の兵士合わせて最大35万4,000人が死傷したという。ロ軍側の死傷者は18万9,500~22万3,000人。うち3万5,500~4万3,000人が戦死、15万4,000~18万人が負傷したという。ウ軍側の死傷者は12万4,500~13万1,000人に上り、戦死者は1万5,500~1万7,500人、負傷者は10万,9000~11万3,500人とされている。
ロ軍側の戦死者数がウ軍側の3倍になっていることがわかる。
ウクライナの大攻勢でロシア連邦に訪れる崩壊の時
ウ軍の春攻勢に備えて、ロ軍は、ザポロジエ州の占領地に全長約120キロの防御線を完成させたという。この防御線は3層からなり、英国防省は「メリトポリへの進撃をウ軍が検討しているのは間違いないとロ軍は考えており、かなり力を入れて構築したとみられる」とした。
また、ウ軍の春攻勢に備えて、プーチンは、軍への動員や徴兵の招集令状電子化を認める改正法に署名し発効させた。これにより、招集拒否ができなくなる。
40万人の兵員募集を行っているが、10分の1も集まっていない現状があり、第2次動員が始まる可能性が高まっている。その時には招集拒否ができなくなる。
それと、ウ軍大攻勢に備えて、ヘルソン方面やザポリージャ方面全域において、民間人をクリミア方面へ避難させている。民間人が、地域のロ軍の兵器などの位置を知らせるのを恐れていることがわかる。
それと、5月9日の戦勝パレードが各地で中止される。クリミアや国境隣接各州で、昨年は実施したが、今年は中止のようだ。この理由が兵器の枯渇でT90などの戦車がないことによる。そもそも戦車がない。
少し前には、中央戦車保管センターからのT-64戦車を前線に送っていたが、現在は、シベリアのダーチノエ戦車保管庫からT-55/T-54戦車を持ってきている。
このため、ロ軍は欧米製戦車対応策で、特別部隊を編成して、歩兵に対戦車ロケット砲やドローンを持たせて、戦うという。欧米戦車に対して、ロ戦車を対抗させないということは、負けを認めていることになる。
もう1つが、1日5万発の砲弾を打っていたが、現在は1日5,000発しか打たない。数か所の攻撃地点以外には、砲弾を補給しなくなったが、その理由がウ軍大攻勢に備えるために、備蓄することにあるようだ。しかし、ロシアの弾丸生産能力はすごい。
欧米側が、束になっても生産能力面で追いついていない。とうとう、韓国の備蓄分を投入するが、ロシアは北朝鮮とイランから弾薬を買っているが、自国生産量もすごいようである。
それでも、弾薬削減の対応策をロ軍が打つが、ウクライナ国防省傘下情報総局のブダーノウ局長は、ウ軍の大攻勢でロシア連邦に崩壊の時が来ているとした。
この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ









