売れ残ってしまった食品をそのまま廃棄していることの多い飽食国家、日本。この食品ロスはどう削減していけばいいのでしょうか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』で著者の佐藤きよあきさんが、島根県にあるケーキ屋さんが成功している売れ残り販売の方法について紹介しています。
残り物ケーキが完売!ガチャポンで食品ロスを削減できる!?
食品ロス大国と言っても良い日本。毎日毎日、食べられるものが大量に捨てられています。
SDGsの観点から、再利用の動きはあるものの、それはほんの数%。“もったいない”と思いながらも、策を見出せず、廃棄されています。
一部は、フードバンクや子ども食堂に提供されたり、再加工して再販売する取り組みも見られます。家畜の餌にして、「食の循環」に組み入れたり、野菜を育てるための堆肥を作ったりしています。
しかし、それ以外のほとんどは、ゴミとして処分されます。
特に日本は食のバリエーションが多いため、食品ロスも出やすくなっています。
その中のひとつ、洋菓子業界は、昔から頭を悩ます問題を抱えています。
「売れ残り」。
生クリームを使ったケーキなどは、ほぼ当日が賞味期限。その日作ったものは、その日に売れなければ、処分するしかありません。
有名なケーキ屋さんや百貨店などは、従業員に値引き販売したり、無料で持ち帰らせたりし、それでも残る場合は廃棄しています。
こうしたお店は、一般客には絶対に値引き販売はしません。お店のブランドや商品価値を下げてしまうからです。
個人経営のケーキ屋さんは、閉店時間までに値引き販売し、その後は、従業員への値引き販売や無料提供、それでも余るなら、周辺のお店などに配ったりしています。
ケーキ屋さんにとって、売れ残りは深刻な問題です。次の日に持ち越せないので、毎日廃棄しなければならない場合もあります。
売れ残りがあるということは、計算上は原価率が高くなることであり、利益が圧迫されます。これが毎日では、経営が厳しくなります。
廃棄を減らすために、作る量や種類を少なくすれば、販売機会の損失になり、客離れにも繋がります。非常に難しい問題で、決め手はありません。