「エリート街道」の終着点に問題。日本の経済が停滞し続けるワケ

 

みんなが会社員になりたがる不思議な国

80年、90年というと、まさに私が学生だった時代が被るのですが、実際に早稲田大学の同級生を見ていても、多くが就職活動で会社員か資格職、安定を狙って銀行や証券会社に就職していきました。

もしくは弁護士などの士業です。当時はITなんてむちゃくちゃ蔑まれていた時代で、IBMやNECに行くと「なんで???」と聞かれました。退職して「外資系」にいったり、「起業」なんてするのはとんでもない、と思っている人が、まだまだ私の世代には多いと思います。

90年代のインターネットが広まった頃に、熱狂していたのは、アウトロー的な若者たちでした。アスキーの西さんも大学中退組ですし、当時のコンピュータはイロモノ扱いでした。だからこそ、私が会社を辞める時には風当たりがむっちゃ強かったのです。そういう時代だったのです。

一見したエリート街道は、安定職と言う守りの人生を進むのは得意なのですが、一から始めるスタートアップや創造性の突出したノーベル賞受賞者は輩出しない傾向にあります。創造とはどれもリスクを取る作業です。No risk, no return そして No pain, no gain です。全部トレードオフです。

みんな塾のマーケティングに踊らされすぎではないか、と私は思ってしまいます。公立学校が古い教育をしているのはおそらく事実でしょうが、私立の方も同じ指導要綱を使っているので、五十歩百歩では。それよりも、子どもの時期から塾に行かせて自由時間がなくなった結果、ほぼ「全員」リスクが取れなくなっているのが、現在の日本の姿なのかなと思いました。ご意見あればぜひ伺いたいです。

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文筆家・編集者。金融機関を経て95年アスキー入社。雑誌「MacPower」を経て以降フリーに。「ASAhIパソコン」「アサヒカメラ」編集者として主にIT業界を取材。1990年代よりマレーシア人家族と交流したのときっかけにマレーシアに興味を持ち11年以上滞在。現地PR企業・ローカルメディアの編集長・教育事業のスタッフなど経てフリー。米国の大学院「University of the People」にて教育学(修士)を学んでいます。 著書に「東南アジア式『まあいっか』で楽に生きる本」(文藝春秋)「子どもが教育を選ぶ時代へ」「日本人には『やめる練習』が足りていない」(集英社)「いいね!フェイスブック」(朝日新聞出版)ほか。早稲田大学法学部卒業。

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【著者】 のもときょうこ 【月額】 ¥1,320/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 木曜日

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