突如現れたプーチン。なぜ独裁者は深夜にクレムリンを訪れたのか

Kyiv,,Ukraine,-,2022,,March,7:,Volodymyr,Zelensky,The,President
 

4月30日、兵士たちを前にした演説で近い時期の反転攻勢開始を示唆したゼレンスキー大統領。29日にはロシアが実効支配するクリミア半島で大規模火災が発生するなど、より一層きな臭さが増しています。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、両軍の現状と最新の戦局を紹介。さらに習近平国家主席がゼレンスキー大統領と電話対談を行った裏事情を解説するとともに、今後の戦争の行方を予測しています。

ウクライナ軍ドニプロ川東岸に大攻勢も現地は雨で泥濘、ロシア軍との戦いの行方は

ロ軍は、バフムトとアウディーイウカの2拠点の攻撃に絞り、ザポリージャ州とヘルソン州は防御の方向になっている。

ウ軍はバフムト市から撤退しながら、ワグナー軍とロ軍空挺部隊の損耗を多くすることに価値を見出している。ワグナー軍は郊外のワグナー軍を市内に移動させて、攻撃を市内に絞り、市内中心部を確保しバフムト駅を占領して、郵便局までどんどん西側に前進している。

北側では、貯水池を抜けて遊園地まで前進したし、南側ではバフムト工業大学まで前進し、T0504号線を超え始めている。ウ軍は、撤退しながら、ワグナー軍が前進した地点を砲撃でビルごと潰している。

このため、ワグナー軍の損耗は激しく、プリゴジンもワグナーは消えてなくなり、歴史的な存在になると弱音を吐いている。この原因は弾薬が与えられないからで、このまま弾薬が与えられない場合、バフムトから撤退するとショイグ国防相を脅した。ワグナー軍が居なければ、この戦線も維持できなくなる。

郊外ではワグナー軍が抜けて、ロ軍空挺部隊だけで、クロモベ方向だけに攻撃して、O0506地方道を遮断して、バフムト市内への補給ができなくなることを狙っている。しかし、ウ軍は、無数の広範な塹壕陣地により、ここを固く守っている。

他には、オリホボバシュリフカにロ軍が攻撃したが、簡単に撃退されている。ワグナー軍とロ軍では、練度が違い過ぎるので、ロ軍だけになった郊外は、ウ軍優勢である。イワニフスクでのロ軍が攻撃しているが、ウ軍が撃退している。

どうもワグナー軍兵やロ軍空挺部隊兵士は、麻薬を打ち突撃してくるようだ。この麻薬は長い間眠らずに起きていることができ、恐れや痛みもなくなるらしい。そして、砲撃で手足を吹き飛ばされても、麻薬のために痛みを感じず、歩き続けられるようだ。手足から出血してるため、血がなくなるまで続けられ、それでも本人は何が起こっているのかわからないという。ゾンビの正体が分かってきた。

郊外では、ウ軍は、運河を渡河してクリシウカを奪還している。ウ軍は東部でも大攻勢をするとしたが、どうも、ここを越えて、バフムト包囲作戦をしているロ軍背後に前進して、逆包囲するようである。しかし、報道管制が引かれていて、これ以上は分からない。

ワグナー軍がほとんどの市内を抑えたようであるが、ウ軍が市内を撤退しているのは、逆包囲作戦を見ている可能性がある。

プリゴジンも、5月にはウ軍が攻撃してくるので危ないと述べるが、プーチンは、バフムト攻略を諦めないことで、ワグナー軍をウ軍攻勢阻止に回さないようであり、今回も負けた時点で、対応を取ることになりそうであるが、高練度なワグナー軍はなくなっている可能性が高い。プーチンの意向が、ロ軍やワグナー軍の足かせになっている可能性もある。

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