突如現れたプーチン。なぜ独裁者は深夜にクレムリンを訪れたのか

 

夜闇に紛れて音もなく渡河するウクライナ軍特殊部隊

しかし、ウ軍の大攻勢は既に始まっているとも言える。ウ軍は、ドニプロ川東岸の南北20kmの橋頭保を確保したようであり、東岸のオレキシーに拠点を作ったともいう。このオレキシーは、E97道路でクリミア半島に繋がり、M14道路でメルトポリに繋がる。その起点の町である。

ウ軍はドニプロ川を渡河するため、特殊な対暗視装置カバーを着けたカヤックを使用して、ウ軍特殊部隊は対岸に渡ったようである。夜闇に紛れて音もなく渡河するので、ロ軍は発見できないようである。

このため、ロ軍のドニプロ川近くのコザチヘリのロ軍監視所が、ウ軍のジャベリンで攻撃され破壊された。カホフカ、レイオン、コルスンカの北、リバルチェの北東などのロ軍陣地が攻撃されている。ドニプロ川のデルタ諸島もウ軍に占領されたようだ。

ノバカホフカダムも攻撃されたのか、停電状態になっているというが、ロ軍が発電所を破壊して、損傷部分から強力に放水させて、ドニプロ川下流を氾濫させ、ウ軍の進撃を止めるようだ。デルタ諸島も冠水することになる。

クリミアのセヴァストポリの石油貯蔵庫もウ軍の自爆ドローンにより炎上したが、OSINTの分析によると全損は6基、大破は7基で、5基が炎上を免れた。しかし、ドローン攻撃をウクライナ側は否定している。しかも、ロ軍の周囲の厚い防空システムが反応してないことも謎だ。パルチザン活動やウ軍特殊部隊の可能性もある。

現在の兵員数は、ロ軍兵37万人と重火器5,900門で、ウ軍兵60万人以上であり、欧米から多大な武器供与があり、ウ軍優勢である。

ウ軍戦車部隊は、ドニプロ市近郊とミコライウ市郊外の2つの地域に集結している。何処を攻めるのかは、まだ確定していないようだ。

しかし、ウ軍は、報道管制を引いているのでよく見えないし、ロシア軍事ブロガーたちもロ軍兵の士気維持のために書かないので、見えない。

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