各方面でウクライナ軍に撃退されるロシア軍
アウディーイウカ方面では、要塞にも攻撃しているが、失敗している。セベルネ、プレヴォマイシケにもロ軍は攻撃しているが、ウ軍に撃退されている。ここのロ軍の攻勢も弱まっている。
その他の地域でのロ軍の攻撃は、なくなっている。
ロ軍は、28日未明ウクライナの首都キーウなど各地を巡航ミサイルや無人機で攻撃し、集合住宅に着弾したウクライナ中部ウーマニでは、住民の死者が23名に上った。ウ軍によると、ロ軍が発射した巡航ミサイル23発のうち21発を撃墜した。
ロ軍は2023年3月以降初めての大規模な同時多発的巡航ミサイル攻撃を実施したことになるが、冬の間の攻撃と比べて投入されたミサイル数が少なく、攻撃目標はウ軍予備部隊と最近ウクライナに供与された軍事補給物資を捕捉して攻撃することであったようだ。
反転攻勢の準備を整え終えたウクライナ軍
ウクライナのレズニコフ国防相は28日「ほぼ反攻作戦の準備は整っているため、神の意志、天候、指揮官の決断があれば直ぐ実行に移す」と明かし、周到に準備を進めて、「ロシア軍との決戦」が近いことを示唆した。
オースティン米国防長官はラムシュタイン会議後「230輌以上の戦車や1,550輌以上の装甲車両をウクライナに届け、新しい9個旅団の編成が可能になった」と言及、NATOのストルテンベルグ事務総長も27日「約束した戦闘車輌の98%以上が提供済みだ」と明かした。
その他、無人機購入募金プロジェクト「無人機軍」を通じて、すでに3,800機以上の無人機の購入をして、既に反攻作戦で利用可能にした。
レズニコフ国防相は、米M1エイブラムスについては「我々の兵士は既に訓練を受けるため出発したが、今回の反攻作戦には参加できないだろう」と付け加えている。
国防省情報総局キリロ・ブダノフ少将も「ウクライナとロシアの決戦は近い」とし、「天候が安定する」という確信が得られれば、いつでも反攻作戦の発動になるかもしれないという。
不安材料もある。EUは3月「今後12ヶ月間で100万発の155mm砲弾をウクライナに供給する」と合意したが、21日時点で2.8万発しかウクライナに到着しておらず、フランスとポーランドは砲弾の購入方法で揉めており、反攻作戦の砲弾供給は米韓に依存している格好だ。ということで砲弾不足の可能性がある。
レズニコフ国防相は、月平均で11万発の155mm砲弾をウ軍は消耗しているが、ロ軍は月平均45万発もの152mm砲弾を撃っているという。ウ軍はロ軍の1/4しか砲撃できない。米国が供給する155mm砲弾(累計150万発以上を提供=月平均11万発以上)とは別に「月25万発の155mm砲弾」が必要で、それをEUが提供するはずが、できないでいる。
このため、ドイツはウクライナにEUが供与する予定の100万発の砲弾のうち25万発を製造する意向であり、ウ軍の弾薬不足を解消したいようであるが、すぐにはできない。
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