突如現れたプーチン。なぜ独裁者は深夜にクレムリンを訪れたのか

 

習近平がゼレンスキーと電話対談を行った裏事情

中国の盧沙野・駐仏大使は21日、旧ソ連からの独立国に関し「主権国としての地位を具体的に示す国際合意は存在しない」との認識を表明した。24日にルクセンブルクで開かれた欧州連合(EU)外相理事会に出席した各国外相の間からは、「全く受け入れられない」(リトアニアのランズベルギス外相)と改めて非難する声が相次いだ。

これに対して、中国外務省は24日に、駐仏大使が旧ソ連から独立したウクライナなどの国家主権に疑義を呈したことについて「中国は(旧ソ連諸国の)主権国家としての地位を尊重している」と釈明した。盧大使の発言は「個人的見解」だったとの声明を出した。

この発言で東欧との関係が不味くなり、習近平国家主席が修復する必要になり、ゼレンシキー大統領と26日、習近平国家主席は電話会談した。ロシアの侵攻開始後で初の会談となる。

習主席は、ウクライナに特別代表を派遣し、全ての当事者と協議し危機の解決を目指す方針を示した。習主席は、中国が和平交渉の推進に注力し、可能な限り早急な停戦に向け努力すると言明。さらに「国連安全保障理事会の常任理事国として、さらに責任ある主要国として、傍観することも火に油を注ぐことも、ましてや利益を追求することもない」と語ったという。

ゼレンスキー大統領は、「領土の妥協や犠牲の上に平和はあり得ない」と言明した。「ウクライナの領土保全は1991年の国境に基づき回復されなければならない」と述べた。

ロシア外務省は26日、習近平国家主席とゼレンスキー大統領との電話会談を受け、中国がウクライナの平和プロセスに関与する意向であることに留意するとした。

しかし、ウクライナの領土保全は1991年の国境だとなると、中国がそんな条件で交渉をすることはできない。結局誰がやってもこの和平交渉は難しい。

当分、戦争は続くことになり、ウクライナもロシアもヘトヘトになるまでは、和平交渉はないと見た方が良い。あと数年は戦争が続くことになる。

さあどうなりますか?

(『国際戦略コラム有料版』2023年5月1日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)

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