新体制となったトヨタ自動車が中国で開催されたモーターショーでお披露目となりましたが、現地メディアはどう評価したのか? 中国の自動車業界情報を届けているメルマガ『CHINA CASE』で詳しく解説しています。
上海ショーで分かった中国勢躍進、日本車オワコン説、本当か?
2023年上海モーターショーは過去に例を見ない現象を巻き起こした。完全にコロナ終焉後に行われた初めての世界最大とも言えるショーだけに、世界各国が報道、ここにYoutuber等も参戦、日本だけでも今までの中国のショーでは考えられないほどの配信が行われた。
その中で出てきたのが、中国勢の「元気さ」による、日本車のオワコン説。中国現地では今回のショーに限らずよく言われ始めていることだが、これを喧伝する配信が極めて多かったのが特徴だ。本当にそうなのか?
ショーはショー、あくまでも見せ方によって、大きくも、小さくも見える。これだけで判断するのは危険だ。
そこで中国におけるメーカーごとの販売台数を活用、2019年1月以来の毎月の各社のシェアを算出、それを基にエクセルの予測シート機能を使用して、2025年末までのシェア推移を予測した。これが現状の中国における温度感だと思われる。
日系勝ち負けくっきり
まずは日系。トヨタ、ホンダ、日産の各合弁5社を見てみると、はっきりと勝ち負けが分かれた。
勝ちはトヨタで、広汽トヨタは19年初頭3%にも満たないシェアだったが、25年末には倍の6%に達する可能性が示唆された。一汽トヨタはそこまでのドラスティックな動きは見られなかったが、やはり19年初頭3%にも満たないシェアは25年末4%前後に達している。
一方の広汽ホンダ、東風ホンダ、東風日産は程度の差こそあれ、すべてシェアは減少。東風日産においては、近似線で19年初頭6%前後のシェアがありながら、25年末には3%を大きく割り込んでいる。
さらに特筆すべきはこの3社、予測の信頼下限で25年末までに0%を割り込んでいることだ。あくまでも予測、可能性の話だが、信頼下限で0%以下となる場合、「オワコン」認定はされてもおかしくはない。
BYDはやはり異常な伸び
伸びているのはどこか、と言われれば、やはりBYDやテスラだ。
BYDは19年初頭0%に近いシェアだったが、25年末には16%に達する見込み。現状の勢いから、BYDは予測の信頼上限を見た方がよさそうで、その値を取れば、25%近くに達している。
テスラも同じく19年初頭0%から25年末には4%に達している。伸びはBYDと比べ小さいものの、堅調な勢いを示している。
他に中国勢としては紅旗、長安などが伸びているが、長城、ZEEKR含まない吉利は下落傾向。中国勢も決して一枚岩ではない。
出典:独自の中国販売データに基づく
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image by: Yugong Luo/Shutterstock.com