「大量生産」は過去の話。カタログに載る商品を生産しないメーカーの事情

JIANGXI CHINA-Nov 26, 2012, Yangtze River Industrial Park, Vico printing dyeing Knitting Co. Ltd. production workshop, workers are sewing processing apparel products exported to Europe and america.
 

3.品切れ、納期遅れへの対処法

それは、

1.追加生産予定のある商品を売る
2.納期の短い商品を売る
3.メーカー、問屋の在庫商品を売る
4.国内生産の商品を売る
5.受注生産を増やす

というものです。何だか当たり前のことですね。

そうです。当たり前のことをすれば、問題は解決されて行きます。それぞれ、もう少し詳しく説明しましょう。

最初の「追加生産予定のある商品を売る」というのは、メーカーさんや問屋さんに、追加生産のある商品を確かめておくことです。特に、自店で積極的に売りたい商品については、追加生産の時期や数量を聞き出しておきましょう。それが分かっていれば、売り逃しが減る可能性があります。

2つ目は、「納期の短い商品を売る」ことです。中には、短い納期を得意にしているメーカーさんがいます。そうした商品を多く扱って、納期遅れを感じさせないようにしてはどうでしょう。

3つ目は、「メーカー、問屋の在庫商品を売る」ことです。メーカーさん、問屋さんが在庫を持たないと言っても、全く持たないというわけではありません。それなりに、在庫をしています。それらの在庫を仕入れられてはいかがでしょう。メーカーさんも、問屋さんも在庫が減って嬉しいのではないでしょうか。

4つ目は「国内生産の商品を売る」ことです。メーカーさんは、海外で生産をするばかりではありません。国内生産の商品もあります。そうした商品を見つけて、その生産計画を教えてもらいましょう。海外生産品に比べて、小回りや融通がきくはずです。品切れや納期遅れが避けられるかもしれません。

5つ目は、「受注生産を増やす」ことです。お店の在庫商品ばかりを販売しようとしてはいけません。スポーツ用品には、「受注生産」をしてくれるメーカーさんや商品が多くあります。例えば、チームユニフォームや学納品ですね。それらに力を入れて販売をすれば、品切れは起こりにくいですし、大抵の場合、納期は守られます。

いかがでしょうか。このように、「品切れ・納期遅れ」をなくす方法はあります。メーカーさん、問屋さんの在庫や生産に頼っていた時代は昔のことです。自ら動いて、品切れや納期遅れを無くす努力をしましょう。

さて、次回は小売店の三重苦「卸掛率」の問題です。

■今日のツボ■

・メーカーさん、問屋さんが在庫を積まないことで、「品切れ」が起こる
・メーカーさんの海外生産が増えたことで、「納期遅れ」が起こる
・どちらの問題も、小売店さんの努力で避けることができる

image by: humphery/Shutterstock.com

梅本泰則この著者の記事一覧

ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ! 』

【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

print
いま読まれてます

  • 「大量生産」は過去の話。カタログに載る商品を生産しないメーカーの事情
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け