被害側の尊厳や事件を蹂躙する調査委員会の告知
第3、調査報告について
1,2023年5月11日に行われた調査委員会の被害側への説明は、被害側としては中間報告を受けるものだという認識でした。一般に、中間報告では、未定稿の調査報告書などを用い、調査過程や結果の根拠を示すなどしていじめの当事者に説明を行うものですが、報告書の内容確認程度の説明を受けたのは5月11日がはじめてであり、中間報告に当たる説明をそれ以前に受けていません。
2,また、この日に教育長への調査報告書の提出や記者会見をするということは、報道の方々からの取材を受けて知りました。本来、このような日程は、被害側は所見の提出もあることから、相当期間を設けるべきだし、報道公開用などの報告書は見ていません。これでは、当事者として個人情報等のチェックをする事も出来ず、極めて危険で杜撰な対応であると思いますし、すごく乱暴なやり方だと感じています。
3,調査に関しては、どのような調査が行われたのか調査報告書から読み取る以外に方法がありません。多くの項目は、被害側が提示した意見を丸写ししたものであり、書かれたいじめ防止対策推進法の解釈は、解説書の冒頭にあるような基本中の基本です。
仮にこの内容を書かなければ、公の教育機関の職員がいじめ防止対策推進法の理解がないのだとするならば、いじめ防止対策推進法が成立しておよそ10年間、いったい何をしていたのか、悲しくて言葉になりません。
特に調査委員会の委員の方の中には、調査期間中に一度も会ったことがない方がいるので、私たち被害側は、主には委員長からの電話があるときに僅かな情報を得るのみで、精神的に不安定になることもありましたから別の専門家の人の見解を聞いて、予想するしか他に方法がありませんでした。
ですから、調査報告書にある調査結果の原資となる資料の開示もしくは閲覧をして、しっかりとした再度の説明を委員長にはお願いします。
4,また、専門家の立ち合いを調査委員会は弁護士に限るとしますが、一般に、行政の不自由ない手続きの理念に反しています。最終段階に来て資料は膨大な数となり、その読み込みや分析、専門的判断をするにあたっての期間がないことや費用としての大きな負担など、委員長は弁護士なのだから、「弁護士でないと同席は許可しない」という調査委員会の告知は、いわゆる被害側への妨害行為であると同時に、反論や弁明の余地を認めない被害者の人権を無視した極めて重大な権利の濫用であり、被害側の尊厳や事件を蹂躙する行為であると考えますので、ご配慮を求めます。
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