今年1月と2月に掲載した記事が大きな反響を呼んだ、静岡県湖西市いじめ隠ぺい事件。6月に入り同市の教育委員長がようやく被害者の両親に謝罪を行ったと報じられましたが、そこに至るまでの過程や湖西市側の対応は到底納得できるものではなかったようです。今回のメルマガ『伝説の探偵』では現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さんが、被害者サイドがいじめ問題調査委員会の委員長、教育長、市長に宛てた「所見書」の全文を公開。湖西市の呆れ返らざるを得ない姿勢を白日の下に晒しています。
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とりあえず謝っとけ。湖西市いじめ隠蔽事件の呆れた役所側の態度
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と2回に渡り湖西市いじめ隠ぺい事件を追ってきたが、報道によれば、2023年6月6日、湖西市教育委員会の渡辺教育長が2019年に当時中学2年生がいじめを受け、学校や市教委の対応が不適切だったと湖西市いじめ問題調査委員会の報告を受け、被害者の両親に謝罪したという。
そして、「再発防止」を誓ったというのだが、どうも雲行きがおかしいのだ。
2023年6月9日現在、湖西市はホームページ上で湖西市いじめ問題調査委員会の報告書を公開している。
● 報告書 湖西市
被害側の許諾を得ず湖西市HPに掲載された報告書
報告書自体の概略は、「全面的にいじめを認めた」「医師の診断書などを軽視し、校長などは、いじめはないという一方的な思い込みで問題に取り組まなかった」「湖西市教育委員会も校長任せで対応しなかった」「対応が遅れたことにより回復不能な状態に被害者が陥ってしまった」というものだ。
また、提言としては、迅速な対応を促すために常設の第三者委員会を形成し対応していくことが出されているが、被害側は、これに強く反対し、先に検証委員会を市長部局で設置し、問題検証から始めるように所見書を出している。
ちなみに、報告書のホームページ掲載については、被害側は明確に許諾を出していない。
真実の多くが隠されている被害側の所見書
多くいじめの第三者委員会を見てきているが、市区町村などのホームページに第三者委員会の調査報告書が載るケースがあっても、通常セットになっている被害側の所見書などは公開されることはまずない。
本来、調査報告書が学校の設置者等への報告の際、被害側からの所見を添えることになっているのだが、公開されることがまず無いことから、この存在自体を知らない方も多くいるだろう。
もしも、第三者委員会の調査を受けている被害者の方がいれば、所見をつけるということはほぼルールであると覚えておいて欲しいが、真実の多くはこの所見に隠されていることが多い。
今回は、湖西市いじめ隠ぺい事件の被害側が、湖西市いじめ問題調査委員会の委員長のみならず、教育長、市長に宛てた所見書の内容を公開することにした。
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