「延滞など“事故歴”あったらNG」はもう古い。次世代クレジットカードの審査はここまで進化している

Hand holding Credit card on Japanese food in restaurant. Use credit card to pay for food. Shopping concept.
 

クレカの審査基準に大きな変化。時代は減点法から加点法へ

ところで、皆さんは「クレジットヒストリー」という言葉をご存知でしょうか?直訳的にいえば、「信用の積み上げ」「加点法」のようなものです。

たとえば、クレジットカードやローンを一度も使用したことのない人は、クレジットヒストリーが何もありません。スコアをつけるとしたら「0」でしょう。たまに公務員や上場会社の方がカード審査や住宅ローン審査に落ちるのは、これが原因であることが多いです。クレジットヒストリー無し。スコア0。こういう状態の方のことを、ネットスラングで「スーパーホワイト」よも呼びます。

スーパーホワイトな人がなぜ落とされやすいかというと、履歴がなく、情報が少ないからです。「実在する人物なのだろうか?」「偽名を使っているのでは?」などと疑われることもありえますから。

我が国のカード与信においては、最初の貸すか貸さないかの審査は「減点法」によるところが大きく(債務整理歴があるとダメとか)、一度カードを発行された後の増枠審査では「クレジットヒストリー」による加点が次第に大きくなる…と、そんな様子でした。昔から。

2018年には、「J SCORE」というAIスコアレンディングによる貸金業者が誕生しました。みずほ銀行とソフトバンクの共同出資です。スマホやパソコンで、職業、年収、家族構成、住居属性、果ては好きな食べ物、学歴、趣味などを片っ端から入力すると、「あなたのスコアは1,000点中800点です」といったようにスコアが表示され、そのスコアに応じて貸出限度額が0~何百万円と変動していく、そんな面白いシステムでした。

しかしこのJ SCOREも、「減点法」が根底にあるとは感じました。貸すか貸さないかの初期判断はやはりCICやJICCの信用情報そこに事故歴があれば貸さないという点では従来と変わりませんでした。

しかし、時代はどんどん変化していきます。2021年頃からは、CICの信用情報は参考程度にとどめ、それよりも加点法で貸すか貸さないかを柔軟に判断するところが次第に増えてきました。

例えばメルカリのメルカード、投資とクレジットの融合のようなpoolクレカ、リクルートのairペイなど。これらは過去の金融履歴云々よりも、自社のサービス(メルカリならメルカリの利用頻度や評価数)が融資の可否を決めるポイントで、中には債務整理歴があるのに審査に通ったという声も少なくありませんでした。時代は少しずつ、減点法よりも加点法に移っているのかもしれません。

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