法律を見れば判る。「正社員は1日8時間労働」が限界ギリギリなワケ

 

正社員がしんどいねん!というのはわがままなのか

週五8時間フルタイム!しんどいかー!!!と聞かれて「平気~~」という人と「きっつい!」という人がおられると思います。正直マジでこれは向き不向きと仕事内容による!としか言えません。

根性がハイパーある人であっても、その人が「じっとして単純作業を繰り返すこと」がむちゃくちゃ苦手であればコンビニのお弁当ライン製造で6時間働くことに耐えきれないと思います。全然根性が無い人でも逆に「じっとして単純作業を繰り返すこと」が全然苦では無いタイプなら6時間を余裕でこなせるでしょう(私は脳外科だけは学生時代に見学中にぶっ倒れ、研修医時代も苦手意識が強くて絶対なれないと思っています)。

後はある程度の慣れは絶対必要だろうなぁと4月5月は特に強く思いました。何でかというとその辺りでよく受診に来られる患者さんで「新卒一年目、8時間労働に耐えられない」という主訴の人がまぁまぁ来るからです。

そこで仕事の内容や上司に恵まれていない人は継続が困難になる場合が多いですが、仕事内容は嫌いではないし上司のフォローも結構あるけどこの生活リズムに慣れない!(大学はコロナでリモートばっかりだった)という人は、通院している間に徐々に生活リズムをつかめるようになって2ヶ月目には「治りました」「お大事に!」でお別れする場合もあります。

しかし「朝起きて始業時間に間に合うように出勤し、8時間労働(休憩1時間とは言う物のそれが守られていない労働環境も結構多い)して帰宅」+一人暮らしの場合は家事などを全てこなす(大学まで親元にいた人にはタスクの増え方が尋常では無い増え方になります)、という環境事態に慣れられない人も結構おられます。

でも皆考えるのは「新卒カードを使って入った会社だから辞めたら後が無い!」という不安感です。慣れることが出来れば良いのですが、慣れない環境(適応できない環境)の場合は職場や同僚上司に不満が何も無くても「今の現代社会でオーソドックスになっている正社員の生活サイクル」が無理という人は居て当たり前だと思います。

一応厚労省は「多様性のある正社員」という政策を提案していますが、賛同し実施している大手企業は40社程度のようです。全国で。す、少ない!

そもそも正社員てなんなんだろ?

こうなってきたら皆が憧れる正社員(正規雇用労働者)とその他(非正規雇用労働者)の違いは何なのか?と世間知らずな私は思ったのでこれまた調べることにしました。

結果、ざっくり言えば「正規雇用は契約期限無期限、非正規雇用は契約期限が有限」という大前提しか決まりがないっぽい…??

いやもっとこう社会保険とか年金とか絶対払わないと駄目とかないのか!?と思ったら無かったです(5人以下の会社だとそもそも社保とか作れない)。

まぁ大企業はそういう意味では安心感あるかもしれませんし、公務員も休職時の話を聞いてると手厚い保証といえる気もしますから皆社会的な保証を求めて大きな会社に行こうとするのは当たり前なのかもしれない。でもそこでは多様性のある正社員を取ってることが少ないんだよなぁ、と書いてて思いました。

多様性は例えば「週4勤務で一日5時間」でも正社員にするよ!と会社が言えば正社員の立場になれます。そりゃ勤務時間が短いので給与は低いでしょうが「これが限界!」という人にはこういう働き方の選択肢があるのは良いんじゃ無いかなぁと思います。給与が問題なんですけどね……。

この記事の著者・バク@精神科医さんのメルマガ

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