ザポリージャ州方面
ロ軍陣地が準備している3重構成防御網のザポリージャで、ウ軍は、苦戦している。
オレホポの南ロボティネで戦闘中であり、ここにウ軍は3個旅団を投入している。
カムヤンスクでは、南にあるピアトハーティキーで戦闘中である。
この地域には、ロ軍の電子戦システムにより、ウ軍のドローンが運用できないことと、GPS誘導弾の誘導ができないこと、ウ軍の衛星通信ができないことなどの問題が起き、有効に攻撃できない状況になっていた。
このため、まず、ウ軍は、ロ軍の電子戦システムの破壊を優先して行った。その後は、ウ軍はHIMARSを対砲兵戦で使い始めた。今までは弾薬貯蔵施設や指揮所への攻撃でったが、この2つは、HIMARSの射程外に移動したことで、砲兵を狙い始めたようである。
それと、ロ軍戦闘ヘリが有効であることをロ軍もわかり、ベルジャンスクに新たに20機以上の戦闘ヘリを追加した。
もう1つが、ウ軍に航空優勢がないことであり、防空システムも不足しているし、その上にロ軍の徘徊自爆ドローンは、優先的に防空システムのレーダーを狙い破壊されている。
これにより、ロ軍の戦闘ヘリが自由に飛べることになっている。これでは、ウ軍は機甲部隊を前進できないことになる。攻撃手段が限られることになり、前進できないことになっている。
もう1つが、地雷原であり、この地雷除去が重要であるが、その地雷原除去も進んでいるようだ。
これらより、ロ軍の士気の低い部隊はルハンシク・ドネツク方面におり、南部のロ軍空挺部隊の士気は、比較的に安定している。そして、準備された陣地でウ軍に抵抗しているロ軍は、パニック状態になっていない。
しかし、ウ軍の損傷した装備の半数以上を回収・修復し「戦闘に復帰」させることは可能なようである。このため、ポーランドやウクライナには、修理工場がある。
このため、ゼレンスキー大統領は、露軍の激しい抵抗に直面していると述べ、米欧諸国に防空能力強化を中心にした追加支援を呼びかけた。防空システムの供与数が増えて、それを前線に移動させている。
このような状況で、ザポリージャ州ではロシアの第35軍参謀長セルゲイ・ゴリャチェフ少将が前線で12日に死亡した。
やっと、ピアトハーティキーでウ軍は、2kmの前進ができたようである。ロ軍防備への対応が完了したようである。
ヘルソン州方面
ノバカホフカで砲撃音が響いていると、ロ軍事ブロガーは騒ぎ、ウ軍の反撃が開始したと述べている。ここの最強空挺部隊は、バフムトとザポリージャ州に移動したことで、ロシア側は民間軍事会社「コンボイ」の約5,000人で、ヘルソン州の防衛にあたることになるが、いかにも少ないし、戦闘ヘリや電子戦兵器などの重装備もない。
ドニプロ川の洪水も引き始めて、川を渡ることができるレベルになってきた。このため、ウ軍は、ポトーン橋を掛けて、重量の軽いトラックや兵員を渡河させているという。そして、オレシキーを渡河して、橋頭堡を確保したという。
今後、重量の重い戦車まで渡河することになれば、本格的な渡河作戦となる。これを、ロ軍事ブロガーは心配している。
ここで、ウ軍が渡河作戦が成功すると、ロ軍の手薄な地域に攻撃できることになる。
もう1つ、ヘルソン州とクリミアのロ軍部隊は、コレラの流行に襲われ、「戦闘効果を失っている」可能性があるという。
ウ軍反撃の最大チャンス到来のようである。
そして、マリャル国防次官も「この戦争の敵へのカウントダウンが始まった」と述べて、本格攻勢に出たようである。主攻撃軸は、ザポリージャ州なのかドネツク州か、ヘルソン州かは分からないが、準備していた攻撃用戦車旅団を投入したようである。
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