プーチンも統制取れず。アフリカ首脳陣訪問中のキーウを攻撃の謎

 

ウクライナが最も欲する戦車をイスラエルが供与か

スペイン政府は15日、ウ軍に、追加で装甲車20台、主力戦車「レオパルト2A4」4両、野戦病院施設を供与するとしたが、レオパルト2が破壊された台数は4両であり、これを補充することになったようである。ブラッドレーは15両破壊されたが、米国は新規にブラッドレーを15両供与するという。デンマークとオランダは、ウ軍供与のために独ラインメタル社から主力戦車「レオパルト2」14両を購入する。

これで、破壊された車両の代替ができたことになる。今回の戦闘で示されたウ軍の問題点を解決することが必要である。

イスラエルのメルカバMK2、MK3戦車200両を2つの外国に売却するとしたが、1つは欧州だという。この欧州の国がウ軍に供与する可能性があるという。メルカバ戦車は、乗員生存率が欧米戦車より高く、今のウ軍には、最も欲しい戦車である。

ドイツは戦車「Leopard1」をベースにした地雷除去装甲車両「Wisent1」2台をウクライナ軍に引き渡した。地雷除去も大きな問題である。

スウェーデンは、グリペン戦闘機のウ軍パイロットを訓練する予定であり、整備士も独自の訓練コースを設ける予定だとした。空軍力が弱点であるが、この弱点をカバーすることになる。

今までに、F-16、F/A-18などの供与前提で、訓練が開始しているがそれにグリペンも加わることになる。ウクライナはオーストラリアに対し、F/A-18戦闘機40機以上の譲渡を求める要請書を送った。

しかし、レズニコフ国防相は、「ウクライナは2024年年初にF-16を入手できるだろう」と述べて、2023年の攻勢には間に合わないとした。

英国がウ海軍に引き渡すチェルニヒフ号とチェルカシー号が、スコットランドの港町ロサイスから出発した。これで、ドニプロ川を渡る船が手に入ったことになる。補給には必要である。

米英、ドイツ、オランダ、デンマーク、カナダ、イタリアは、ウ軍に優先度の高い防空システムを供与するという。

ドイツは、このためパトリオットの追加ミサイルを64弾を供与する。オランダはウクライナに1億5,000万ユーロ相当の4つのVERA-EGレーダーシステムを提供する。イタリアは、SAMP/T防空システムの追加供与をしている。

このように、防空システムの大幅な供与で戦闘ヘリの活躍を抑えるようである。S-300防空システムの代替ができるかどうかだ。

ウ軍戦車旅団12の旅団のうち3つだけが戦闘に参加しているので、メイン部隊が何処に向かうのか、まだ判明していないようだ。

NATOは、旧ソ連崩壊後のロシアがもはや脅威ではなく、数十年にわたり大規模な防衛計画をとりまとめる必要性がないとみていたが、ウクライナへの侵略で、新地域防衛計画を策定することで根本的な転換となる。

しかし、この新地域防衛計画が、NATO会議で合意できなかった。ロシアへの見方に異論が出ているようである。恐らく、反対なのは、ハンガリーとトルコであろう。

このハンガリーのオルバン首相に、リッシュ上院議員(外交委員会メンバー)は、スウェーデンのNATO加盟を拒否するハンガリーへの罰として武器売却を中止しようとしている。

このため、急遽ハンガリー議会は、NATO首脳会議直前の7月7日までに、スウェーデンのNATO加盟に向けた国内の批准手続きを実施するという。

この記事の著者・津田慶治さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • プーチンも統制取れず。アフリカ首脳陣訪問中のキーウを攻撃の謎
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け