岸田首相が描く甘すぎるシナリオの内容
永田町界隈では、再び衆院解散への警戒感が高まっている。自民党の萩生田光一政調会長や遠藤利明総務会長が内閣改造・党役員人事の時期について「8月か9月」と言っていることもあり、人事で政権のイメージを一新したうえで、9月下旬にも衆院を解散するのではないかという見方が強くなっているのだ。
内閣改造のポイントとなるのは、河野大臣の処遇だ。河野氏をこの問題の“A級戦犯”に仕立て上げ、岸田首相は暴走を食いとめる役回りを演じるために、内閣改造で河野氏をデジタル大臣の座から引きずり下ろし、健康保険証の廃止をとりやめる。そうすれば、来秋の自民党総裁選でライバルになるかもしれない河野氏にダメージを与え、岸田内閣支持率は好転するのではないか。そんな甘いシナリオがまことしやかに囁かれている。
だが、霞が関ですこぶる評判が悪い河野氏でも、国民的人気はなぜか根強い。岸田首相が河野潰しのチャンスととらえても不思議はないが、かりにそうだとしても筋書き通りにいくかどうか。下手をすれば、責任逃れの姿勢が反発を呼んで、かえって支持率が落ち、とても9月解散どころではなくなるかもしれない。
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