山下達郎のラジオ声明で、皮肉にも浮き彫りになってしまった「楽曲」の素晴らしさ

2023.07.11
by kousei_saho
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ミュージシャンの山下達郎(70)にバッシングが集中している。ことの発端は、音楽プロデューサーの松尾潔氏(55)が音楽プロダクション「スマイルカンパニー(以下SC)」との契約を、不本意な形で解除されたと発表した1日投稿の以下のツイートだ。

このツイートが大拡散。山下といえばジャニーズ事務所所属タレントへの楽曲提供でも知られるため、「ジャニーズへの忖度では」とネット上は騒然となった。その後、松尾氏が自身の日刊ゲンダイ紙での連載「松尾潔のメロウな木曜日」で、ことの発端や弁護士を通じてのやりとりを掲載したことで、SNS上では山下とSCの対応に怒りの声が殺到し、大炎上状態となってしまった。

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注目の山下達郎ラジオ、批判するつもりが…

これを受けSCは、9日14時から放送の山下がパーソナリティを務めるFMラジオ番組『山下達郎のサンデー・ソングブック』内で「本人より大切なご報告がございます」と発表。当日は山下が約7分間にわたり自身の思うところを語った。

ところが、その「声明」の発表が番組中盤だったため、期せずして多くの人々が番組開始から30分ほどの間、山下の楽曲を聴くことになるという事態に。

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この日はRCA/Airレーベル時代の名盤『ムーングロウ』から「FUNKY FLUSHIN」「RAINY WALK」「愛を描いて」「TOUCH ME LIGHTLY」が、山下のコメントまでの間にオンエアされた。

このファンキーからメロウに流れる畳み掛けるような選曲に、怒り心頭であったはずの反山下派も思わず反応。そして従来のファンは改めて「達郎」の秀逸な楽曲に痺れた「ファンキーでメロウな日曜の午後」となってしまったのだ。これは松尾氏も、当の山下も予想外だったに違いない。

サブスクを解禁していない山下だけに、ここまで彼の楽曲を良い音で連続して聴ける機会は、彼のコアなファン以外であれば稀だろう。コメントが始まるまでの間、多くの「初めてのリスナー」に、RCA/Air時代の山下の曲はどう聞こえていたのだろうか。

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