2.G7とBRICSの対立
世界が分断する中で、G7とBRICSの対立が明確になってきました。
特に、ロシアへの経済制裁と、米ドル基軸通貨体制の2点が課題になっています。
G7諸国は、ロシアのウクライナ侵攻は、全てロシアが悪く、ロシアの責任であると考えています。悪のロシアと、それに対抗する正義のウクライナ。我々は、正義の味方なので、ウクライナを支援するという主張です。
また、G7諸国は、ロシアを弱体化させるために、経済制裁を行うべきと提唱しています。
BRICS諸国は、ロシアへの経済制裁に賛成していません。ロシアを一方的な悪とは考えておらず、米国やNATOにも責任の一旦があると認識しています。
また、BRICS諸国の結束には、米国嫌いの感情が影響しています。米国は軍事力も経済力も強く、swiftを武器に金融も支配しています。いつ、言いがかりをつけられ、戦争に巻き込まれ、国を破壊されるか分かりません。
例えば、イラクの事例です。米国はイラクに対して、「大量破壊兵器を隠している」、と決めつけ、戦争を仕掛けました。そして、フセイン大統領は殺害されました。しかし、大量破壊兵器は見つからず、後から嘘だったことが分かりました。
平和だったイラクは破壊され、その後、地域の安定は失われ、テロ組織が跋扈するようになりました。
こうした工作を米国は世界のあちこちで行っています。米国が怖いので、米国に取り入る方法もあります。しかし、実はイラクも親米国家でした。それでも、最終的には攻撃されました。これはアフガニスタンも同様です。つまり、米国の子分になっても安全ではないのです。
そうなると、米国と対抗できる勢力と連携して、バランスを取るしかありません。米国と対抗できるのは、ロシアと中国だけです。そのロシアを攻撃することは、米国だけに依存することになります。従って、多くの国は中立を保っています。
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