3.G7とBRICSのブロック経済化
米国は、ロシアの経済制裁の一環として、ルーブルをswiftから締め出しました。その直後、ルーブルは暴落しました。その翌日、ロシアはルーブルの金本位制を宣言し、ルーブルの価格は元に戻りました。
米国がロシアをswiftから締め出したことで、ロシアは原油をドルで決済することができなくなりました。そこで、ロシア産の原油はルーブルや人民元、ユーロなどで決済するようになりました。米国は自らペトラダラー体制を崩してしまったのです。
米国の金融制裁は、あらゆる国が恐れています。swiftから締め出されることは、貿易決済ができなくなり、経済に大きなダメージを受けることを意味しています。
こうした高圧的な米国に対して、世界中の国家は恐怖を感じています。しかし、ドル以外の通貨で貿易が可能ならば、swiftから外されても経済は維持できます。
ロシアは、米国の金融支配から脱するためにルーブルの金本位制を宣言しました。そして、その流れをBRICSに拡大しようとしています。BRICS諸国で「金本位制」に基づく共通の決済通貨を導入するという構想です。
ブラジルは、この構想を積極的に支持しています。ブラジルのルラ大統領は、今年4月に中国を訪問した際に、「なぜBRICSには、自らの共通通貨がないのか。なぜ世界が、必ず米ドルで取引しなければならないのか」と訴えました。
中国はブラジルにとって最大の貿易相手国で、中国メディアによると、両国間の貿易で人民元決済を始めるとしています。
このように、G7諸国とBRICS諸国は、政治面、経済面、通貨体制等で、各々がブロック化に向けて動いています。
G7諸国は、人口も減少傾向であり、高齢化が進み、経済も成熟しています。一方、BRICS諸国は、人口は増加傾向で、平均年齢も若く、経済は成長を続けています。人間に例えれば、社会的に地位の高い老人と、若くて活力にあふれた青年のイメージです。
当然、BRICSに参加したいと考える国は増えていますし、BRICSに投資したいと考える資本家も多いのです。
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