初めての本から18年経ち、ノーベル賞経済学者ポール・クルーグマンが、日本経済と中国経済を比較しています。中国経済は、90年代の日本のように「暗黒時代」に突入するのでしょうか?ビジネスインサイダージャパン 8月2日を見てみましょう。
- 中国経済は減速に向かっていると、ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマンは考えている。
- クルーグマンは、中国と90年代に経済が衰退した日本との類似点を指摘する。
- 人口動態に強い逆風が吹いていることから、中国の将来はさらに悪化する可能性が高い。
中国経済は大きな減速に向かっていると、ノーベル賞受賞経済学者のポール・クルーグマン(Paul Krugman)は考えている。
彼は、2023年に入ってからの期待外れな中国の経済パフォーマンスを、日本の経済力が衰退し始めた90年代の経済的苦境と比較した。
クルーグマンは2023年7月25日に公開されたニューヨーク・タイムズへの寄稿文にこう記している。
「中国は最近失速しているように見えることから、将来的に日本のような道を歩むのではないかと言う人もいる。
それに対する私の答えは
皆さん、クルーグマンは、どう答えたのでしょうか?答えを紙に書いてから次に進んでください。
『おそらくそうはならない。中国はもっと悪くなるだろう』だ」
中国は90年代の日本より、「もっと悪くなる」とノーベル賞学者クルーグマンさんがいっています。
中国は、世界の覇権を取れないまま、衰退しはじめることでしょう。そしてアメリカも、20世紀に前覇権国家イギリスが衰退したように、21世紀を通じて影響力を落としていきます。これからは、中国ではなくインドの時代になっていくでしょう。これについては、2014年に集英社から出版した『クレムリンメソッド』から、ずっと同じことをいっています。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2023年8月2日号より一部抜粋)
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