プーチンが辿る「ヒトラーが歩んだ道」。ついにナチスと同じ作戦に出た露軍

 

その他方面

チョンガル道路橋を6月22日に攻撃・破壊し、7月29日にはチョンガル鉄道橋も破壊したが、8月6日にはチョンガル道路橋とヘニテェスカ橋の破壊して、クリミアとヘルソン州東部を結ぶ橋をすべて破壊して、補給をできにくくした。

残すはクリミアとヘルソン州西部を結ぶ橋であるが、激戦の続くオリヒウ軸へは、遠回りになる。このため、ロ軍は浮き橋をチョンガル橋の近くに敷設した。

そして、12日もクリミア橋にS200ミサイルを複数発打ち込んだようであるが、ロ占領軍のアクショノフ首長は、橋に損傷はないという。

もう1つが、モスクワでウ軍無人機飛来が常態化している。モスクワのソビャーニン市長も連日、モスクワや近郊の州に相次いでドローンが飛来してきたことを明かした。いずれも防空システムが迎撃したと説明されている。

このドローン飛来後に、特にモスクワや近郊で軍需工場などの火災が頻発している。モスクワ近郊のオディンツォボでは倉庫が炎上したり、モスクワのカラミシンスキー水力発電所付近で爆発事故が発生したりしている。11日はモスクワ近郊のカルーダの変電所で火災が起きている。

その中でも、特に、モスクワの北東70kmセギエフ・ポサードのザコルシキー光学機械工場が爆発炎上した。自爆型ドローン「ランドセット」の重要な部品を製造し、かつ次期爆撃機「ツポレフ95」を開発していた工場であり、爆発により6棟が全壊、4棟が半壊した。70人以上の死傷者が出ていて、まだ12人が行方不明ようだ。

ウ軍のドローンにより、モスクワのドモジェドヴォ空港とブヌコヴォ空港でもたびたび、飛行停止になり、トルクメニスタン航空がモスクワ便を運行停止した。そして、ドローン飛来後、空港付近で何かが爆発炎上した。

しかし、空襲警報が事前に鳴らないようであり、防空システムで警報が作動しない。このことから、ウ軍ドローンは、超低空飛行をしてモスクワに到達しているようである。

目標はモスクワ市内の「オスタンキノTV塔」であろうと推測するが、GPSではなく慣性誘導で飛び、高い目標物を目指し、そこから真の目標物に向かうようである。これにより、電波妨害を受けない。

このようなドローン攻撃のウ軍の目的は、ロシアの国民に対して「戦争はひとごとではないのだ、自分たちも危険なのだ」と思わせたいということだと防衛研究所の高橋杉雄氏はいう。

一方、ロ軍はウ空軍のスタロコスティアニフ空軍基地をミサイル攻撃した。基地は大きく破壊されたが、戦闘機などは回避したとウ軍報道官は言う。11日もキンジャール弾道ミサイル4発を発射し、イバノ・フランキウスク州のコロミア飛行場付近に3発着弾した模様。被害は不明。ストーム・シャドウミサイルの保管庫が同飛行場にあるとされている。

また、ロ軍は、モスクワへの無人機攻撃の報復として、ウクライナの民間人やインフラを狙って、ウクライナ各地をミサイルで攻撃している。それと、南部地域の都市への無差別砲撃も始めている。

これを阻止するために、ドイツはさらに2基のパトリオットランチャーをウクライナに引き渡した。

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