“やぶ蛇”のトランプ。核兵器の開発意図なきイランを激怒させた代償

 

再び苦しくなったイラン。そもそも核兵器を開発する気はなかったのですが、追い詰められ、ある時点で気がかわったようです。徐々にウラン濃縮度をあげていきました。

ここから、今年のお話。「時事」3月5日。

イランを訪問した国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は4日、ウィーンの空港で記者会見し、イラン中部フォルドゥの核施設で核兵器級に近い濃縮度83.7%のウラン粒子が検出された問題について「その水準の濃縮ウランは蓄積されていない」と述べた。

「核兵器開発には濃縮度90%以上が必要」とされている。

伊藤貫先生によると、イランは、年内に核兵器を保有する可能性が高い。そして、イスラエルは、「イランが核兵器保有する前に攻撃する」と公言している。イスラエルがイランと戦争を始めると、アメリカもイスラエルを助けざるを得ない。

冒頭の「イランIEAEの査察拒否」について、日経新聞9月17日付は、

核合意の当事国である英国、フランス、ドイツは14日、イランが合意を守っていないとして、10月中旬に緩和するはずだった制裁の一部を継続するとの共同声明を出した。イラン外務省は14日の声明で「挑発的で悪意がある。適切な反応をする」と反発していた。

つまり、制裁延長を決めた欧州への反発が原因だと。

しかし、「いよいよ核兵器保有が近づいている。そのことがバレないようにIAEAの査察を拒否している」とも考えられます。そうであれば、伊藤貫先生が予測されているとおりに、

  • イスラエルがイランを先制攻撃
  • イスラエル―イラン戦争勃発
  • アメリカがイスラエル側にたって参戦

といった事態に発展する可能性も出てきます。

そうなると、「二正面作戦」を嫌がるアメリカは、ゼレンスキーに「現状維持で停戦しろ!」という圧力をけてくる可能性が高まります。

どうなるか、注目していきましょう。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2023年9月19日号より一部抜粋)

image by: saeediex / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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